自民党の林芳正官房長官(63)は3日、国会内で記者会見し、党総裁選(12日告示、27日投開票)への立候補を表明した。派閥裏金事件を踏まえ「全力で党の信頼回復に努め、国民の共感を得られる政治を取り戻す」と訴えた。中央省庁の再々編や憲法改正に意欲を示した。正式表明は4人目。茂木敏充幹事長(68)は4日に出馬会見を行う。
林氏は「政治資金の透明性を上げ、グレーゾーンをなくしていくのが大事だ」と指摘。政策活動費の使途を監査する第三者機関について「米国の連邦選挙委員会(FEC)をモデルとした独立行政機関を検討する」と語った。党所属議員に対する政党交付金の配分を見直すことで「パーティー収入への依存度を減少させたい」と述べた。
事件に関係した議員の処遇に関しては、石破茂元幹事長(67)が選挙での非公認に言及している。林氏は「党紀委員会(の処分)や党の調査などが行われてきた。ルールとして尊重しなければならない」と慎重に対応する考えを示した。
行政改革に関し「1府12省庁体制が始まって20年以上たった。しっかり検証し、省庁再々編の議論をスタートさせる」と説明。経済財政運営では「経済あっての財政だ。経済をよくするために必要な財政出動はためらってはならない」と明言した。成長型経済への移行を後押しし、「早いうちにデフレ脱却宣言までたどり着きたい」と述べた。
党是の憲法改正に関し、3年間の総裁任期中に改憲案の国会発議を目指す意向を示した。選択的夫婦別姓制度については、個人的な考えとして「あってもいい」としつつ、さまざまな意見を集約し「大まかなコンセンサス(合意)をつくり上げるのが責務だ」と語った。
茂木氏は3日の会見で、「日本の将来に明確なビジョンを示すだけでなく、実行して結果を出すことが大切だ」と述べた。上川陽子外相(71)は会見で、20人の推薦人確保について「少しめどが立ってきた。最後の詰めを行わなければならない」と語った。
自民党総裁選への立候補を表明する林芳正官房長官=3日午後、国会内
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