記者会見で、自民党総裁選挙への立候補を表明する茂木敏充幹事長=東京都港区で2024年9月4日午後2時2分、長谷川直亮撮影

 自民党の茂木敏充幹事長(68)=衆院栃木5区=は4日、東京都内で記者会見し、党総裁選(12日告示、27日投開票)への立候補を正式に表明した。茂木氏にとって総裁選への挑戦は初めて。出馬表明は3日の林芳正官房長官(63)に続く5人目で、過去最多の5人が出馬した2008、12年総裁選と並んだ。

 茂木氏は03年に小泉純一郎内閣で初入閣して以降、経済産業相や外相など要職を歴任。21年11月からは幹事長として、麻生太郎副総裁とともに岸田文雄政権を支える「三頭政治」を担ってきた。同月には自民派閥・平成研究会(茂木派、解散決定)の会長にも就任した。

 政治資金パーティー裏金事件を受けた政治資金規正法改正などを巡り岸田首相とのすきま風も指摘されたが、党総裁を支える幹事長としての立場を踏まえ、出馬には「令和の明智光秀になってしまう」などと慎重な発言を繰り返してきた。

 岸田首相が8月、不出馬を表明したことを受け、出馬への準備を本格化。8月下旬には「この国を一人一人が自信と誇りを持てる、将来への希望が満ちあふれる国にしていく。そのための覚悟を持った決断を近々させていただきたい」と意欲を語っていた。

 総裁選では茂木派が支持基盤となる見通しで、安倍派の一部なども支援に回るとみられる。一方、連携を期待した麻生派(54人)を率いる麻生氏は、自派の河野太郎デジタル相(61)を支援しており、上位2人の決選投票に進むには党員・党友票の積み上げがカギとなりそうだ。

 茂木派からは加藤勝信元官房長官(68)も出馬の意向を固めており、派内の支持が割れる可能性がある。

 茂木氏は東大卒、米ハーバード大大学院修了。丸紅、マッキンゼー社勤務などを経て1993年に初当選し、現在10期目。

 総裁選には小林鷹之前経済安全保障担当相(49)、石破茂元幹事長(67)、河野氏、林氏が出馬を正式表明済み。小泉進次郎元環境相(43)は6日、高市早苗経済安保担当相(63)は9日に出馬表明を予定している。【加藤明子】

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