3日に解散届を提出したばかりの自民党旧岸田派が、再び集結する動きを見せている。岸田文雄首相は4日、山梨県で開催された同派議員の関連会合に相次ぎ参加。側近の木原誠二幹事長代理も姿を見せた。派閥解消に逆行していると受け取られかねない動きだ。
会合は、同派所属の堀内詔子衆院議員が地元幹部向けに開いた。会場となった山梨県富士吉田市内のホテルは、同派が夏の研修会で長年使ってきた。
首相は、首相官邸から車で片道1時間余りをかけて山梨入り。会合で講演し、外交や経済政策の成果をアピールしつつ、裏金事件で退陣を決断した経緯を説明した。
総裁選については「誰が有力であるか、誰がキングメーカーであるかということばかり取り上げられるが、外交、経済など政策を維持、発展できる候補者は誰かを見極めていただくことも重要」と語った。
ホテルでは、堀内氏の会合とは別に木原氏と4期生以下の若手議員約10人が参加する研修会も開かれた。首相は約10分間、若手議員と面会し、総裁選の情勢について意見交換したという。
首相は今年1月、旧岸田派の解散を宣言。3日に正式に解散届を提出した。
一方で首相は同派議員との面会を重ねている。若手議員によると、首相は総裁選について「決選投票では旧岸田派で大きな塊をつくりたい」と語っているといい、今回の研修会も総裁選の決選投票に向けた動きとの臆測が広がる。
こうした動きに自民の無派閥中堅は「言っていることと、やっていることがバラバラ」と眉をひそめ、党幹部の一人は「いまだに派閥にこだわっている。国民の目にどう映るか考えるべきだ」と批判した。(佐藤瑞季)
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