自身のマイナンバーカードのIC情報を読み取ったスマートフォンを持つ河野太郎デジタル相=東京都渋谷区の三井住友銀行オリーブラウンジ渋谷店で2024年8月1日午前9時21分、古屋敷尚子撮影

 デジタル庁は11月、Jリーグ公式戦の試合会場で、マイナンバーカード活用の実証実験を実施する。カードを持参すれば誰でも参加できる抽選会を開催し、参加者はカードの情報に応じた景品などを受け取れる。

 マイナンバーカードには情報流出や監視国家化への懸念が指摘される一方、「利便性を実感しにくい」との声も多い。普及に向け、カードがただの“本人確認書類”ではなく、マーケティングにも有効なツールだとアピールしたい考えだ。

 実証実験は、11月1日の「川崎フロンターレ対鹿島アントラーズ」と、同9日の「湘南ベルマーレ対北海道コンサドーレ札幌」の計2試合で実施する。スタジアム場外に抽選ブースを設け、参加者のマイナンバーカードを読み取るとともに、顔認証を実施する。

 住所地別など参加者情報に基づいた景品や特典が当たる。ホームやアウェーチームの本拠地にちなんだ地産品を贈ったり、選手と記念撮影したりする特典が検討されており、決まり次第、川崎フロンターレと湘南ベルマーレのホームページで発表される。

 Jリーグのチームはこれまで、ホームゲームでチケットを購入した人など一定の来場者の情報は把握してきたが、同行者や招待者の情報までは把握できていなかったという。マイナンバーカードによる今回の実証実験では、こうした人たちを含めた住所地などの属性調査も可能となる。集めた情報はホームタウン活動への活用が期待されている。

 デジタル庁は、実証実験の結果を踏まえ、Jリーグに所属する全国60クラブや他のプロスポーツなどへマイナンバーカードの活用を拡大したいとしている。【嶋田夕子】

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