岸田文雄首相の自民党総裁任期満了に伴う総裁選は12日告示され、選挙戦がスタートする。選挙期間は現行規定ができた1995年以降で最長の15日間で、27日に投開票される。これまでに9人が立候補を正式表明しており、2008年と12年の5人を超えて過去最多の立候補者数となる見通しだ。
また、政府は、岸田首相の後任を選出する臨時国会を10月1日に召集する方針を固め、与党側に伝えた。召集日に衆参両院の本会議で新首相を指名し、1日中に新内閣が発足する見通し。与党内では、衆院選を参院岩手選挙区補欠選挙と同じ10月27日投開票とする案が浮上している。
これまでに出馬表明したのは、石破茂元幹事長(67)▽茂木敏充幹事長(68)▽高市早苗経済安全保障担当相(63)▽河野太郎デジタル相(61)▽上川陽子外相(71)▽加藤勝信元官房長官(68)▽小泉進次郎元環境相(43)▽小林鷹之前経済安全保障担当相(49)▽林芳正官房長官(63)――の9人。上川氏は11日に記者会見を開き、出馬表明した。女性候補の出馬表明は高市氏に続き2人目。
一方、野田聖子元総務相(64)は11日、国会内で記者会見し、立候補を断念すると明らかにした。21年に続き2回目の出馬を目指していたが、出馬に必要な20人の推薦人を集められなかった。野田氏は小泉氏の推薦人に回る方針を示した上で、その理由について「大きな要素は、(小泉氏が)選択的夫婦別姓(制度の法制化)を1年以内に決着をつけると明言されたからだ」と述べた。
斎藤健経済産業相(65)も11日夜、記者団に「総裁選の戦いから撤退する。結果は大変残念だが、私自身は何か大きなものを得ることができたのではないかという気持ちもしている」と述べ出馬断念を表明した。
総裁選では、派閥の政治資金パーティー裏金事件への対応や選択的夫婦別姓制度の導入、物価高対策などが争点となる。有力候補の小泉、石破両氏は早期の衆院解散・総選挙に踏み切る考えを示しており、解散時期も焦点となる。
12日午前10時から党本部で立候補の受け付けが始まり、午後には各候補者が所見発表演説に臨む。14日以降、全国各地で演説会や政策討論会などを開く。
総裁選は党所属の国会議員票367票と党員票367票の計734票で争われ、党員票は全国の党員・党友による投票結果を基に、ドント方式で各候補に配分される。どの候補も過半数に達しない場合は、上位2人による決選投票を実施。都道府県ごとに党員投票数が多かった候補に1票が割り振られる仕組みで、国会議員票367票にこの都道府県票47票を加えた計414票で争われる。党総裁選管理委員会は11日、党員票の選挙人を105万5839人と発表した。【田中裕之、竹内望、福富智】
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