小泉進次郎氏(右端)の街頭演説。菅義偉前首相(右から3人目)も参加した=横浜市のJR桜木町駅前で2024年9月8日、高山祐撮影

 自民党総裁選(27日投開票)が12日告示され、過去最多の9人が立候補した。神奈川県内からは、小泉進次郎元環境相(43)=衆院神奈川11区=と河野太郎デジタル相(61)=同15区=が出馬。総裁選に複数の県内選出議員が立候補するのは初めてとみられる。ポスト岸田文雄首相への期待が高まり、それぞれの地元は熱を帯びている。【蓬田正志、因幡健悦、柿崎誠】

 今回、総裁選に初めて挑戦する小泉氏はその「若さ」をアピール。自民党の「刷新感」を求める有権者からも期待する声が多く聞かれる。

 地元・横須賀市の商業施設にいた50代の主婦は「経験不足はあるかもしれない。しかし、フランスの大統領やカナダの首相も40~50代と若い。小泉氏が首相になったらうれしい」と声を弾ませる。一方、市内の公園にいた男性(84)は「経験不足から4、5年早い感じがする」と懸念。ただし、無派閥で活動してきたため「しがらみがない」と評価した。

 河野氏は総裁選に3回目の挑戦だ。報道各社の世論調査では「次期総裁にふさわしい人」で常に高い人気を誇ってきた。前回の総裁選(2021年)は岸田首相との決選投票で涙をのんだ。

総裁選出馬のあいさつのため県議会の自民党県議団を訪れた河野太郎デジタル相(中央)=横浜市中区で2024年9月2日、遠藤和行撮影

 約30年の親交がある地元・平塚市の社会福祉法人理事長、平野貴裕さん(60)は「首相になって何をするかが大事だ。信念を曲げずに若い頃から熱く語ってきた平和のための外交を語り尽くして」とエールを送る。

 物価高を身近に感じるという茅ケ崎市の主婦、花井ちえ子さん(73)は「国の無駄遣いをなくすことから始めてほしい。高度な判断が必要な首相は若すぎても年齢を取り過ぎてもいけない。河野さんこそ適齢期」と力を込めた。

 県選出の国会議員の動きはどうか。

 菅義偉前首相(神奈川2区)は8日に横浜市であった小泉氏の街頭演説会で「日本のかじ取りを託したい」と発言。小泉氏の支持を鮮明にした。三原じゅん子参院議員、河野氏所属の麻生派の赤間二郎氏(14区)ら複数の議員も小泉氏を推す。河野氏の推薦人には、牧島かれん前デジタル相(17区)ら麻生派の議員が名前を連ねた。

 候補者乱立の総裁選では、国会議員票(367票)が分散し、党員・党友による「地方票」(367票)の重みが増す。県連は特定の候補者を支援しない方針で、党員が約6万5000人と東京に次いで2番目に多い県内では、各陣営が支持拡大にしのぎを削る。

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