共同記者会見する自民党総裁選の9候補(13日、党本部)

自民党総裁選の候補者は13日の共同記者会見で、安定的な皇族数の確保策など皇族を巡る制度について意見を表明した。父方が天皇の血を引く男系男子のみが皇位を継承するとの現行の皇室典範の規定を維持すべきだといった主張が出た。

高市早苗経済安全保障相は男系男子で皇位を継承する規定を守るべきだと訴えた。「今に生きる私たちの責任であり、未来に生きる人たちへの責任でもあると思う」と話した。

小林鷹之前経済安保相や加藤勝信元官房長官、茂木敏充幹事長も皇統に属する男系男子であることを前提に議論すべきだとの立場を示した。

そのほかの候補者は静謐(せいひつ)な環境の中で議論すべきだといった表現にとどめた。林芳正官房長官は「論点を詰めてなるべく早期に結論を出すように、総裁になった暁には努力をしたい」と述べた。

小泉進次郎元環境相は「何よりも大切なことは皇室のあり方の議論が政争の対象にならないことだ」と指摘した。国会で立法府の総意をまとめられるよう自民党が議論に貢献すると強調した。

石破茂元幹事長は「皇位が安定的に継承されるということは重要なことだ」と話した。

安定的な皇位継承を巡っては衆参両院議長らが6月から各党・会派に個別に意見聴取した。額賀福志郎衆院議長は女性皇族が結婚後も皇族に残る案に「おおむね共通認識が得られた」と述べるにとどめた。男系の維持は与野党間で意見の隔たりがある。

政府の有識者会議は皇族数の確保策を巡り2021年12月にまとめた報告書で①女性皇族が結婚後も皇族に残る②旧皇族の男系男子を養子として皇族に復帰させる――の2案を示した。いずれも皇室典範の改正が必要とされる。

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