自民党総裁選(27日投開票)に立候補した9人は13日、党本部であった共同記者会見に臨んだ。岸田文雄政権の評価や、各候補が掲げる政策を巡って意見が交わされ、論戦が活発化した。
小林鷹之前経済安全保障担当相(49)は岸田政権の政策について「継続、共有する部分は多い」と評価し、防衛力強化やデフレ脱却などの取り組みを引き続き進めていく考えを示した。一方、「必ずしも長期の国家ビジョンが明確かつ広い範囲で共有されている感じは正直しなかった。私は世界をリードする(日本)という明確なビジョンを持っている」とも述べ、違いを強調した。
上川陽子外相(71)は岸田首相が主要7カ国首脳会議(G7広島サミット)や日韓関係の改善など「多くの実績を残された」としつつ、「私が目指すのは誰一人取り残さない日本だ。これまでしっかりと光が当たっていなかった女性、シングルマザー、シニア世代などに目を向ける」とアピールした。
加藤勝信元官房長官(68)は、岸田首相による旧岸田派の解散表明について「やや唐突感があったことは否めない」としながらも、岸田政権の基本政策を継承する姿勢を表明。「さらに私としては、給食費、出産費用、子どもの医療費の三つの費用の負担ゼロを目指す」と訴えた。
茂木敏充幹事長(68)は、防衛力強化や子育て支援の拡充を続ける姿勢を示した上で、財源については岸田政権が決めた防衛増税や子育て支援金の保険料負担増ではなく、税収増や税外収入などで「十分確保できる」と強調。「(岸田政権で)決めたから変えないではなく、国民にとって何がベストかを追求したい」と述べた。
共同記者会見では、各候補の政策についての論戦も本格化した。石破茂元幹事長(67)が主張する「防災省」の設置を巡っては、小林氏が「司令塔機能の強化は必要だ」と一定の理解を示しながらも「調整する機関が(防災省設置によって)二重に重なるのであれば、特段必要ない」と指摘。加藤氏は大規模地震対策を強化するために首相直轄の「危機管理庁」を創設すべきだとの考えを示した。
石破氏は「全国の自治体アンケートで7割近くが(防災省が)必要だと言っていて、全国知事会も必要だと言っている。いらないという理由が全く理解できない」と訴えた。【竹内望、鈴木悟】
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