自民党総裁選挙に立候補している、高市経済安保相の陣営は、政策に関するリーフレットを党員らに送付していたことをめぐり、一部で「自民党執行部が党内の選挙管理委員会に、改めて対応を検討するよう指示した」と報じられたことについて、「選挙管理委員会からすでに注意を受けている。自制を求めたい」と訴えました。

■自民総裁選は「個別パンフレットの郵送禁止」高市氏は注意受ける

自民党は、今回の総裁選挙について、「カネのかからない選挙」のため、個別のパンフレット郵送を禁じると今月3日に決めています。

高市氏が配布したリーフレットが、この方針に反するとの指摘されていて、高市氏本人は今月10日に、「7月に原稿を書いて、8月1日に配送業者の方に渡した」と釈明し、「違反行為には当たらない」と主張する一方、選挙管理委員会からは「注意」を受けていました。

■リーフレットは「国政レポート」「総裁選の記載ない」

そしてこのリーフレット配布について、一部で「自民党執行部が選挙管理委員会に対応を再検討するよう指示した」と報じられたことを受け、改めて高市氏の事務所関係者が奈良市内で記者会見を開きました。

その説明によるとリーフレットの内容とその送付の経緯は以下のようなものです。

・リーフレットは年1回、夏か秋に全国の後援会員や寄付を受けた人、奈良2区支部の党員に配布している「国政レポート」

・1年間の実績や経済安全保障相として取り組んできた内容、これから実現したい政策を書いたもの

・総裁選についての記載はなし

■「著書の締め切りで取りまとめ遅れる」と主張

・(6月23日に閉会した)通常国会終わって投函したいと言っていた

・しかし、総裁選前に出版社から3冊の本を出版してもらいたいと依頼

・その締め切りが優先になってしまい、国政レポートの文章を取りまとめる時期がずれてしまった

・高市氏が原稿を仕上げられたのは7月末

・レイアウトを整えて、色校正など終えて8月1日に印刷会社に発注

・そこから印刷や宛名の印字など事業者に委託して、8月中の発送完了を依頼

・9/4に選挙管理委員会から、パンフレット郵送の禁止が発出されたので、印刷会社に作業完了確認したら、8月中に発送完了しているということだった

・郵送費節約のために、「ゆうメール」を使ったが、到着に7日、土日を挟むと9日かかることもあるという

・そのため9月に入って届いたものもあると考えられる

また高市氏側はこうした内容を文書にまとめ、自民党の選挙管理委員会に今月11日に提出したということです。

■党執行部に「権力者としての矜持と自制を求めたい」

そのうえで、高市氏の事務所は、「リーフレットの到着が4日以降になって、混乱招いたことはお詫び申し上げます。高市氏が原稿書いたのは7月末。まだ総裁選に出られるかどうか、どういう形で行われるか、期日についても決まっていなかった段階で、総裁選投票依頼を願うものではないと断言できます。
リーフレットの中にも総裁選という言葉は一文字も書いていないですし、今後の国のへの思いは、総裁選での内容と一致しているという指摘がありますが、3年前に総裁選にチャレンジした時から基本的な方向性は変わっていませんし、その気持ちを7月の時点でまとめて記したものと、9月の総裁選に向かって気持ちが変わるということはありません」と釈明しました。

そして「自民党執行部が党内の選挙管理委員会に、改めて対応を検討するよう指示した」と報じられていることついては、すでに選挙管理委員会から注意を受けたことを改めて主張したうえで、「選挙管理委員会が決めたことに、さらに党執行部から圧力をかけるということは、我々の常識としては、考えられないことだろうと思います。独立した公平・公正なジャッジ、管理をするのが選挙管理委員会ですので、選挙管理委員会の判断に委ねるべきだろうと思います。(党執行部に)権力者としての矜持と自制を求めたいと思います」と訴えました。

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