高市早苗氏が送付したリーフレットの写し。自身が掲げる政策について詳細に記されている=2024年9月10日午後2時ごろ、遠藤修平撮影

 自民党総裁選挙管理委員会の逢沢一郎委員長は19日、総裁選に立候補した高市早苗経済安全保障担当相(63)が党のルールに抵触する形で政策リーフレットを党員らに送付した問題を受け、党員らに「誤解や予断を持つことなく」投票に臨むよう呼びかける声明を党ホームページに掲載した。

 声明では、「金のかからない総裁選」に向け文書類の郵送を禁じたにもかかわらず、「一部の候補者の文書が広く党員・党友の皆様に届いた」と指摘。「地元の国会議員が文書を発出した候補者を支持している」との誤解が広がっている▽文書等を送っていない候補者が「何の働きかけもしない」「熱心さが足りない」との不評を買っている――との指摘が選管に寄せられているとし、「極めて異例」の措置として声明を出したとした。

 逢沢氏は19日、記者団の取材に応じ、高市氏が30万~35万人に送ったとしているリーフレットについて「大半は(選管が文書類の郵送禁止などを通知した9月4日より遅い)9日以降に到着している」と説明した。高市氏に対しては11日に口頭で注意しており、追加処分は行わないとした。

 逢沢氏はまた、高市氏のリーフレット以外にも、文書送付で4件の違反が疑われる通報が選管にあったと説明。これらについては規模が小さいことや郵送と断定できないことなどを理由に、関係者への注意喚起にとどめたという。

 高市氏は19日、「結果的に4日以降に私どもの事務所からの郵送物が届いたところがあったとしたら、誤解を招く行為だった」と記者団に語った。

 総裁選候補者でもある茂木敏充幹事長(68)は19日、「ルールが守れない人にルールを守る政治はできない」と東京都内で記者団に語った。【竹内望、加藤明子】

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