東京電力福島第1原発の立て坑に流れ込む、海水で希釈した処理水(右下)=8月
東京電力福島第1原発の処理水海洋放出を巡り、日本政府と国際原子力機関(IAEA)が、IAEAの枠組みの下、中国も参加できる形でモニタリング(監視)体制を強化する方針を固めた。政府は中国とも並行して協議しており、中国を含む第三国の役割を拡充し、海水や放出前の処理水の試料採取を容認する方向。新たな監視体制を踏まえ、中国が日本産水産物の輸入を着実に再開させると表明する。複数の外交筋が19日、明らかにした。 岸田文雄首相とIAEAのグロッシ事務局長が20日に電話会談し、監視体制強化で合意する。日本が求める禁輸措置の全面的な撤廃につながるかどうかが焦点となる。 中国は7月の日中外相会談などで「独立した試料採取」や「長期的な国際監視体制の構築」を求めてきた。日本側は、IAEAを関与させる形であれば、日本の主権と調査の客観性、他国との公平性を保ちながら、中国の要請にも応えられるとみている。 処理水の海洋放出を受け、日本は国際社会の信頼を得るため、IAEAの指揮の下、第三国の専門家も参加し、各国の分析機関で結果を比較する体制を構築している。
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