インタビュー答える石破茂元幹事長(20日、国会内)

自民党総裁選に立候補した石破茂元幹事長は20日、これまでの経済政策を振り返る必要があるとの認識を示した。「失われた30年の検証をしなければならない」と述べた。日本経済新聞社などのインタビューに答えた。

株主への配当金や企業の内部留保は増えた一方で、非正規労働者が増えるなど格差拡大が進んだと分析した。「農業、漁業、林業、サービス業に活性化を促し、雇用と所得を創出することが肝要だ」と強調した。石破氏は地方創生を公約の柱に据える。

地方の人口減対策として婚姻率を上げる重要性を掲げた。結婚適齢期の女性が男性よりも少ないと指摘した。「若い女性に選ばれる地方とは何かということに絞ったプロジェクトの展開を図りたい」と語った。

かつて地方創生相だったときに地方創生に向けた交付金制度をつくったと説明した。そのうえで当時の交付金について「額として極めて少なかった。初心に立ち返り金額を増やす」と言明した。

頻発する自然災害への対策として組織再編を訴える。2026年度中に「防災庁」をつくり、将来的に防災省に格上げすると掲げる。地震を予知する体制や避難所、物資の備蓄を強化すると訴えた。予算措置による対応が必要だと説明した。

日米地位協定に関して運用の改善だけでは不十分だとの考えを示した。米国に陸上・航空自衛隊の訓練基地を設けるよう主張した。「米国との連携もさらに緊密なものになる」と唱えた。

石破氏は北大西洋条約機構(NATO)にならった集団安全保障の仕組みとして「アジア版NATO」の創設を提唱している。日米同盟や米韓同盟などを「有機的に組み合わせていくことが肝要だ」と説明した。台湾の加盟を前提とはしていないと話した。

北朝鮮との向き合い方を巡り、金正恩(キム・ジョンウン)総書記との首脳会談に臨む場合、事前に米国や韓国、中国と調整しなければならないと言及した。「北朝鮮問題を解決するにあたっては中国との関係を確立することは最も重要だ」と主張した。

派閥の政治資金問題に関し党総裁は有権者へのおわびと改善策の提示が求められると答えた。政治資金収支報告書に不記載があった議員への対応を問われ「説明責任は公認権者である総裁が果たしていくことがなければ納得は得られない」と答えた。

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