長崎市に原爆が投下された時、国が定めた「被爆地域」の外にいた「被爆体験者」をめぐり、長崎地方裁判所が一部を被爆者と認める判決を出したことを受け、岸田文雄首相は21日、被爆体験者全員に「被爆者と同等の医療費助成を行う」と表明した。

首相公邸で長崎県の大石賢吾知事、長崎市の鈴木史朗市長と会談した後、記者団に語った。

長崎地裁は9日、原告の44人のうち、15人を被爆者と認める一方、29人は被爆者と認めなかった。

岸田首相は「訴訟の原告であるかどうかに関わりなく、これまで被爆体験者とされてきた方々全員を対象とする」と明らかにした。

さらに「精神疾患の発症は要件とせず、精神疾患に関連する限定的な疾病に限らず幅広い一般的な疾病について、被爆者と同等の医療費助成を行う事業を創設する」と述べた。

そして、「年内のできるだけ早い時期の医療費から助成を適用する」とした上で、長崎県、長崎市と詳細を詰めていく考えを示した。

一方、長崎地裁の判決については、政府として「控訴せざるを得ない」と認識を示した。

岸田首相は18日、大石知事、鈴木市長とオンラインで会談した後、政府として速やかに対応策を示す考えを明らかにしていた。

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