<東京新聞 自民・立民W党首選 政策アンケート>③防衛増税・消費税増税  自民党総裁選と立憲民主党代表選の立候補者13人への本紙の政策アンケートでは、防衛費を大幅に増やす財源を確保する「防衛増税」について、自民候補の9人のうち3人が総裁任期中に「する」と答えた。「しない」は2人で、経済状況を踏まえて検討するなど「どちらでもない」が4人と見解が分かれた。消費税増税に関しては、自民総裁や立民代表の任期中に「する」と回答したのはゼロ。石破茂元幹事長以外の12人が「しない」で一致した。

◆自民は「財源」のつくり方に相違、立民は「そもそも根拠が乏しい」

 防衛増税を「する」とした理由について、自民では林芳正官房長官が「2027年度に向け、複数年かけて措置する方針を決定済み」と説明。加藤勝信元官房長官は「防衛力強化を確実に実行するために必要な政策」と訴える。河野太郎デジタル相は「必要な防衛力増強のための財源は、安定的であるべきだ」とした。  「しない」と答えた候補のうち、高市早苗経済安全保障担当相は、税収が増える経済環境をつくると強調。茂木敏充幹事長も、経済成長に伴う税収増などで「数兆円の財源確保は可能」と主張する。  立民の4人は、そもそも防衛費を大幅に増額する根拠が乏しいといった理由で、全員が代表任期中に「増税しない」と足並みをそろえた。枝野幸男前代表は「先に数字ありきは否めず、詳細な再検討・見直しが必要」と指摘する。

◆石破氏は「党税調で議論する」

 消費税を巡っては、経済成長を優先させることで増税を回避できるとの意見が自民で目立った。高市氏は、戦略的な財政出動で雇用や所得を増やし、「税率を上げずとも税収を増やす」という考え。小林鷹之前経済安保相は「力強い経済をつくり出すことで税収の増大を図る」とする。  小泉進次郎元環境相も、消費税増税は「想定していない」。上川陽子外相は「上げるつもりも予定もない」と断言しつつ、「現役世代が急減する40年に向けてあらゆる検討を行う」とした。石破氏も「現時点で増税は考えていない」とする一方、「党税調で議論する」と明確に賛否を示さなかった。  野田佳彦元首相ら立民の4人は全員が「しない」を選んだ。泉健太代表は「所得税や法人税なども社会保障財源に充当すべきだ」と持論を展開。吉田晴美衆院議員は「食料品の消費税を非課税にするなど、逆進性を緩和する仕組みに改めるべきだ」と提案した。(川田篤志、近藤統義)    ◇   東京新聞が各候補者に行った書面アンケートの回答全文は以下の通りです。


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