自民党総裁選(27日投開票)に立候補した河野太郎デジタル相(61)は22日のNHK番組で、党内に親族などから地盤を引き継いだ「世襲議員」が多い問題について、議員が引退した場合は政治資金団体に残った資金を親族に引き継ぐことを認めず、国庫に返納するよう規制を強化すべきだとの認識を示した。
引退・死去した国会議員の政治団体や政治資金を親族に引き継ぐことについて、税制上の不公平さや世襲議員が資金面で有利になる点が指摘される。河野氏自身も河野洋平元総裁の長男で世襲議員だが、「引退する議員の政治資金団体の代表者にその親族がなることで、相続税を回避しているかのようなお金の引き渡し、これはいかんと思う」と語った。
自治相などを務めた父二朗氏の地盤を継いだ石破茂元幹事長(67)も「政治資金団体を引き継ぐことをやめるなど一つ一つやっていかなければならない」と賛意を示した。
世襲議員ではない高市早苗経済安全保障担当相(63)は「世襲議員のほうが、ベテラン議員の方々から何かと『お父さんにお世話になりました』と目をかけていただける。最初うらやましいなと思っていた」と振り返った上で、「親とは別の選挙区から出るとか、政治資金管理団体については継承しないとか、そういった工夫はできる」と指摘。同じく非世襲の茂木敏充幹事長(68)は「政治団体をそのまま引き継ぐということはやめた方がいい」と語った。
今回の総裁選に立候補した9人のうち世襲議員は河野、石破両氏の他、林芳正官房長官(63)、小泉進次郎元環境相(43)、加藤勝信元官房長官(68)の5人。【池田直】
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