立憲民主党の新代表に選出され、泉健太氏(左)と共に気勢を上げる野田佳彦氏(右)=東京都港区で2024年9月23日午後3時56分、渡部直樹撮影

 立憲民主党は23日、東京都内で開いた臨時党大会で代表選の投開票を行い、野田佳彦元首相(67)が決選投票で、枝野幸男元代表(60)を破り、新代表に選出された。任期は2027年9月まで。野田氏は選出後のあいさつで「今日からノーサイドだ。挙党態勢で政権を取りに行こう」と呼びかけ、党内運営の要となる幹事長をはじめとした新体制の骨格を24日中に決定すると表明した。

 野田氏は選出後の記者会見で、衆院解散・総選挙の時期が近いとの認識を示し、選挙準備を加速させると強調した。党の選挙公約を策定する「次の内閣」や総合選挙対策本部などを週内に発足させる。

 代表選には、野田氏、枝野氏のほかに泉健太前代表(50)、吉田晴美衆院議員(52)も立候補した。

 党所属国会議員(136人)に1人2ポイント、国政選挙の公認候補予定者(98人)に1ポイントの計370ポイント、地方議員と党員・サポーターに計370ポイントがそれぞれ割り振られ、合計740ポイントを争った。地方議員らは郵送やインターネットで投票し、ドント方式で振り分けられた。

 1回目の開票では、有効投票ポイント総数738ポイントのうち、野田氏が267ポイント、枝野氏が206ポイント、泉氏が143ポイント、吉田氏が122ポイントを獲得。いずれも当選に必要な過半数に達せず、野田氏と枝野氏による決選投票となった。

 決選投票は、国会議員と公認候補予定者、都道府県連の代表者(47ポイント)による合計417ポイントを争った。その結果、有効投票ポイント総数412ポイントのうち、野田氏が232ポイントを得て、180ポイントだった枝野氏を破った。

 野田氏は代表選出後の記者会見で、新体制の人事について「私にない刷新感をどうやって作っていくかは一つの重要な観点だ」と述べた。

 自民党派閥のパーテイー裏金事件にも言及。次期衆院選については「裏金事件にかかわった大物議員、安倍派、二階派の幹部のところで、きちんと有力な候補をあてていない選挙区がある。そこをまず埋めていく」と明言。「可能な限り有権者に選択肢を与えて、自民にペナルティーを与える環境を作るのが自分たちの使命だ」とも語った。

 野党間の連携に関しては「自公過半数割れに追い込むためには、野党の議席を最大化するのが現実的な戦略だ」と表明。具体的な協力については「各野党にあいさつ回りをして、それをスタートにそれぞれの野党と誠意ある対話をし続けていきたい」と述べるにとどめた。【源馬のぞみ、安部志帆子、中村紬葵】

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