岸田文雄首相

 岸田文雄首相は23日午後(日本時間24日午前)、自民党総裁選(27日投開票)で投票する際に重視する点について「私の内閣で進めてきた政策を引き継ぎ、発展させていくことができる方は誰なのかをしっかりと見ていきたい。終盤、各候補者(の主張)をしっかりと注視していきたい」と述べた。訪問先の米ニューヨークで同行記者団の質問に答えた。

ロシア軍哨戒機の領空侵犯「極めて遺憾」

 ロシア軍の哨戒機1機が計3回にわたって北海道・礼文島沖で領空侵犯を繰り返したことについては「極めて遺憾であり、外交ルートを通じて極めて厳重に抗議するとともに、再発防止を求めた」と述べ、引き続き警戒監視に万全を期すとした。

 石川県の能登半島北部などを襲った豪雨を受け、首相は輪島市、珠洲(すず)市、能登町に災害対応の応援職員を順次派遣すると表明。能登半島地震の被災者向けの仮設住宅で床上浸水などの被害が出ているのを踏まえ、「仮設住宅の復旧について必要な国庫負担を行うなど、しっかり対応していきたい」と述べた。

 首相は21日から米国を訪問し、日米豪印4カ国の協力枠組み「クアッド」の首脳会議に臨み、海洋安全保障分野での連携強化を確認したほか、バイデン米大統領らと個別に会談。国連の「未来サミット」などで演説した。10月1日に退任する見通しの首相にとっては最後の外遊となった。9月24日夜に政府専用機で羽田空港に帰国する。

 首相は同行記者団に「国民の生命と財産を守り抜くことを第一に据えて、国際社会を分断や対立ではなく協調に導くために積極的に首脳外交を展開した」と語り、約3年間の外交を振り返った。残された外交課題を問われ、「この手で拉致被害者の帰国を実現できなかったのは忸怩(じくじ)たる思いだ」と述べた。【ニューヨーク影山哲也】

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