次期衆院選不出場と政界引退を表明した中村喜四郎衆院議員。質疑応答を含め1時間を超えた会見では時折、ほほえむ姿もみられた=茨城県庁で2024年9月24日午後0時11分、寺田剛撮影

 中村喜四郎衆院議員(比例北関東)が24日、次期衆院選不出馬と政界引退を表明した際の記者会見で自民党総裁選に触れ、古巣について「派閥を大切にしてきた大人の政党だったのに、解散するとは何事かと思った」などと感想を語った。発言の要旨は次の通り。

 古巣の自民党は惨憺(さんたん)たる状態だ。派閥を大切にしてきた大人の政党だったのに、派閥を解散するとは何事かと思った。

 私は田中派、竹下派、最大派閥のなかで薫陶を受けてきた。自民党に対する忠誠よりも、派閥の人間関係のなかで育ててもらった。

 派閥が悪いのではなく、派閥で集団的な「脱税行為」をしたのが一番の問題で、国民に説明することが大切なのに、全部投げ出して「派閥を解散すればいいんだ」となっている。

 その証拠に、「総裁選に9人も出て戦うことが自民党を変えることになる」と自分たちで演出し、それを実行している。勝ち馬に乗りたいという議員心理もあり、9人も出たのに、何をしたいのか見えてこない。

 国民の一番聞きたいメインテーマは、自民党の10年の総括だ。内閣人事局を作り、役人に人事権を振り回し、ゆがめられた行政を平気でやるような党になってしまった。特定秘密保護法をつくり、有形無形にマスコミにも圧力を平気でかける政党になってしまった。敵基地攻撃能力というものをつくって、日本が大切にしてきた専守防衛という考え方を、あっという間に変えてしまった。

 こんな重要なことを、党内で侃々諤々(かんかんがくがく)の議論をして決めず、いつのまにか浮上しては、決まっていってしまう。民主主義を壊してしまうなことをやってきた総括をせず、総裁選が終わろうとしている。

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