27日の東京外国為替市場の円相場は対ドルで急騰し、一時1ドル=143円台前半を付けた。
同日午後に投開票された自民党総裁選で、石破茂元幹事長が高市早苗経済安全保障担当相を決選投票で破り、第28代総裁に選出された。結果が伝わると、直前に付けていた146円台半ばから一時3円以上、円高・ドル安が進行した。
石破氏は8月に出版した自著で、2013年から安倍晋三元首相の下で始まった異次元緩和に一定の成果があったとする一方、「ある意味禁じ手的な政策を延々と10年続けてしまった」と記した。長期化した金融緩和路線に批判的で、段階的に利上げする姿勢を示している日銀に一定の理解を示す可能性がある。
高市氏は安倍元首相の路線継承を強調し、積極財政による「強い日本経済の実現」を掲げるとともに、日銀による利上げ継続に反対の立場を示していた。
決選投票には高市氏がトップで進んだことから、高市氏が優位との思惑から円売り、ドル買いの動きが強まって円安が進行していた。【成澤隼人】
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