トランプタワーでトランプ前米大統領(左)と対面した自民党の麻生太郎副総裁=米ニューヨークで2024年4月23日、AP

 自民党の麻生太郎副総裁は23日午後(日本時間24日朝)、米ニューヨーク市でトランプ前米大統領と会談した。

 第2次安倍政権で副総理兼財務相を務めた麻生氏は、安倍晋三元首相とトランプ氏との日米首脳会談に同席し、ペンス前副大統領とともに貿易問題を協議する「日米経済対話」も担当した。日本政府としてはトランプ氏が11月の大統領選で返り咲いた場合に備え、会談を通じて関係の再構築を図りたい考えだ。

 トランプ氏は自身のソーシャルメディアで、ロビーで麻生氏を出迎えた際の動画を投稿した。日本政府関係者は「日本が悪く思われてはいないということだ」と語った。

 一方、日本政府は公式には静観する構えを見せた。林芳正官房長官は24日の記者会見で「麻生氏の訪米は一議員として行われたものと承知しており、政府として関与していない議員の立場の活動にお答えするのは控える」と述べた。

 岸田文雄首相は4月に訪米し、バイデン米大統領と会談したばかりで、コメントを控えることでバイデン政権への配慮をにじませた形だ。

 バイデン政権側が会談に不快感を持っているとの報道もあるが、上川陽子外相は24日の衆院外務委員会で「米国も非常に大きな国でいろいろな意見があろうかと思う。どなたが言ったか分からないが、あったかもしれない」とした上で、「受け止めについて外相として答える立場にない」と語った。【鈴木悟、小田中大】

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