自民党の石破新総裁は、30日、10月9日に衆議院を解散し、10月27日投開票の日程で、衆議院選挙を行う方針を表明しました。
石破新総裁の表明を前に、この週末、選挙を視野に県内各地で活発に動く立候補予定者を取材しました。

29日、東広島市で開催された日本青年会議所の広島ブロック大会。
県内各地で活動する青年会議所のメンバーが一堂に会する年に1度の大規模な集会に、来賓として出席したのが自民党・現職の寺田稔氏と、日本維新の会・現職の空本誠喜氏だ。
早期の衆議院の解散・総選挙が現実味を帯びる中、2人に心境を聞いてみると・・・

【自民・現 寺田稔 氏】
「石破総裁も言っている通り、まず体制を固めた後に論戦を行って争点をあきらかにしてからということになろうかと思います。また我々の考えをしっかり示してから、(解散)ということがよろしいのではないでしょうか」

【維新・現 空本誠喜 氏】
「解散に向けて各党ともに準備活動に入っていると思いますし、私の方も準備をさせていただいてますので、まずは私たちの政策なりを有権者の皆様にしっかりお届けすると、その準備をしっかり行ってます」

衆議院・小選挙区の「10増10減」に伴い今回の総選挙から県内の選挙区は従来の7から6に変更。
2人が立候補を予定する新4区は東広島市を中心としたこれまでの4区に5区だった呉市や竹原市が統合する選挙区となった。

選挙区の統合に伴い、自民党では小選挙区の候補者をこれまで4区の現職だった新谷正義氏にするか、5区の現職、寺田氏にするかで難航したが、党本部は次の選挙に関しては寺田氏を新4区から立候補させることを決定。
来るべき総選挙では初めて、寺田氏が空本氏と戦うことになる。

【自民・現 寺田稔 氏】
「大きなテーマとしては政治改革の問題、経済の問題、外交安全保障の問題、この3つが大きな争点であるし、それぞれの論点ごとに自分はこういう風に考えるというのをしっかりと訴えてきたい」

【維新・現 空本誠喜 氏】
「やはり政治資金パーティーの裏金問題についてはしっかりメスを入れるということで戦っていきたい。あわせて東広島・呉・広島のトライアングルでどうやって経済を活性化させるか。これについてしっかり取り組んでいきたい」

一方、神石高原町でも次の衆院選・広島5区で争うことになる2人の姿があった。
立憲民主党・現職の佐藤公治氏と自民党・現職の小島敏文氏。
町長選の候補予定者の事務所開きに来賓として出席した。

【自民・現 小島敏文 氏】
「石破新総裁は地方創生を力入れています。私はこれを一歩も二歩も進めてそして地方の限られた資源を活用してもっともっと地方が伸びると思います」

石破新政権への期待に言及した小島氏。
早期の解散総選挙を視野にすでに臨戦態勢だ。

【自民・現 小島敏文 氏】
Q選挙は近い?
「近いと思うよ。私は比例区へ出ませんから小選挙区1本でいきますから。これでどうしても勝たなければ。地元についても責任をもって何としても次の選挙勝たせてもらいたいと思っている」

区割り変更前の旧広島6区では5連敗し、4回続けて比例で復活当選している小島氏。今回は比例代表中国ブロックに重複立候補せず小選挙区だけで挑む考えだ。

一方、佐藤氏は、衆議院の解散の判断は慎重にすべきだと注文をつける。

【立民・現 佐藤公治 氏】
「政治とカネのこともあります。色んな対立軸を示したうえで国民に真意を問うべきなのに、そういうことがないまま、解散を早くするというのは私はいかがなものかと思います」

その上で、来るべき総選挙では「政治とカネ」をはじめとした多くの課題に徹底抗戦の構えだ。

【立民・現 佐藤公治 氏】
「与党も野党もなく、私は既存の政党政治家として非常に厳しい有権者の見方がされているという、緊張感とともに危機感を持っている。それにどう答えていくかもこの度の戦いとして大事になってくると思う」

また共産党・新人の猪原真弓氏もこの日、府中市で開かれた集会で支援者を前に来るべき選挙に向けた意気込みを語った。

【共産・新・猪原真弓 氏】
「自民党を倒すという意味ではどなたがなっても一緒かなと。広島県内で女性議員をだすという重みを考えてほしい。声を出していく、伝えていくということを私の任務としてやらしてもらおうと思っている」

早ければ27日にも実施される衆議院議員選挙。
県内の立候補予定者はすでに選挙モードに突入している。

<スタジオ>【記者の目】
選挙取材を進める若木記者によりますと、次の選挙は「10増10減」に伴う区割り変更が初めて適用される衆院選となり、選挙区によっては政党内や政党間の候補者調整が難航した区もあるということです。

有権者にとってもこれまでとは異なる選挙区の候補者の訴えに耳を傾けなければなりません。

ただ、忘れてはならないのは今回の選挙の大きな争点の一つは「政治とカネ」の問題だということ。広島は河井元法務大臣の大規模買収事件の震源地でもあり、私たちはこの問題に対する候補者の訴えを見極める必要があります。

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