参院予算委員会に臨み、眼鏡を確認する岸田文雄首相=国会内で2024年4月24日午後0時59分、平田明浩撮影

 参院予算委員会は24日、政治資金などに関する集中審議を実施した。岸田文雄首相は、自民党がまとめた政治資金規正法改正の具体案を巡り「責任の厳格化については自民も強い問題意識を持ち、具体的な対策を講じていきたい」などと強調した。一方、野党は「連座制」に関する自民案の甘さなどを指摘する質問を連発し、「小手先の案だ」などと攻勢を強めた。

 「全く連座になっていない。なんちゃって改革じゃないですか」

 立憲民主党の蓮舫氏は、政治資金収支報告書の提出時に議員の「確認書」を添付させ、虚偽記載などがあった場合は一定の条件下で議員本人を罰するとした自民案について「2段階になっている」などと指摘。議員本人の処罰につながるか疑問を呈し、今回の裏金事件を受けた自民議員の処分一覧を示して「仮に確認書を導入しても、誰も新たに処分されない。どこが連座か」などと追及した。

 これに対し、首相は「一覧表は政治責任の処分の結果だ。法改正の要件とは違う」とした上で、「今回、検察の判断として会計責任者のみに処罰が科せられていることにとどまっていることに対して、議員本人の責任を明確にする」と強調。「物足りない」などと指摘した日本維新の会の片山大介氏に対しては、「収支報告書の不備と議員の関係をしっかりと確定した上で法律を構成する必要があることから、確認書という具体的な方策を間に挟んだ」と説明した。

 また、自民案が収支報告書に記載しなかった収入の相当額を国庫に納付させるなどとしたことに関し、蓮舫氏が「ヒューマンエラーの軽微なミスでも、意図的な不記載でも全額納付させるのか」とただすと、首相は自民案の項目の読み上げに終始。蓮舫氏は「先頭に立つと言いながら私も持っている同じ条文を読んでいるだけで、首相は中身を全く理解していないことがよく分かった」と批判した。

 共産党の小池晃氏も、自民案について「企業・団体献金の禁止もなければ、政策活動費の見直しもない。ひとかけらの反省もない中身だ。そもそも真相解明に背を向けていて、まともな改革案が出せるわけない」と切り捨てた。

 一方、首相は国会議員に月100万円支給される旧文書通信交通滞在費の使途公開などの課題について「この国会で結論を出せるよう、各党と議論を行っていく」と述べた。【樋口淳也、池田直、川口峻】

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