■10月解散総選挙へ

 自民党の石破茂新総裁が9月30日、10月の解散を表明し、一気に選挙モードへ突入しようとしています。

 きっかけとなった裏金問題の当事者を抱える2つの選挙区でも動きが慌ただしくなっています。

 「諸条件が整えば10月27日に解散総選挙を行いたい」(自民党 石破茂新総裁)

 石破新総裁が表明した10月27日の総選挙。

 今回の選挙では自民党の裏金問題は避けて通れません。衆院議員の裏金問題の当事者は北海道では5区と9区。週末の動きを追いました。

■北海道5区

 自民党総裁選から一夜明け、江別市の町内会などが主催する秋まつりに姿を現したのは道5区の現職、和田義明氏です。

 Q.裏金は何に使った?
 「政治活動のみです。人件費や政治活動や事務所の費用などです」(自民党 和田義明氏)

 和田氏は2024年、990万円の裏金を受け取っていたとして、戒告処分を受けました。

 イメージ回復を図ろうと地元のイベントに積極的に参加しています。ときには有権者から厳しい意見をもらうこともあると言います。

 「厳しいご意見をたくさんいただく。政治生命を完全燃焼させて地域のために頑張る」(自民党 和田義明氏)

 和田氏と交流した市民は。

 「(裏金問題の)話は一切しません。そっちの方は全く無知なので。私たちも頑張るから和田さんも頑張ってという感じ」(和田氏と交流した市民)

 和田氏の対抗馬として立候補を表明しているのは立憲民主党の元衆院議員、池田真紀氏です。

 合同選挙対策本部の立ち上げ前に、メディア向けの写真撮影に臨んだ池田氏。主張の一つはやはり裏金問題です。

 「今回の裏金問題について、次の選挙では違う思いがあります。まっとうな政治をもう一度チャレンジしたい思いで今回の選挙に挑む」(立憲民主党 池田真紀氏)

 翌日は、支援者に発送するチラシの袋詰め作業や新さっぽろ駅前で、街頭演説。政治の信頼回復、そして政治の果たすべき役割を訴えました。

 「裏金問題は解決されていない。政治不信を招いている責任を解明しなければならない。国民の格差が広がりすぎ。中間層が本当にいなくなった。一人一人が行動すれば政治は変わる。希望につながる呼びかけをしていきたい」(立憲民主党 池田真紀氏)

■北海道9区


 約2200万円の裏金の不記載で議員辞職した堀井学氏が不出馬になった自民党道9区支部。後任を公募して再出発を目指しています。

 「ゼロから(立候補しようとしている)人たちなので”刷新感”以上に、”刷新”」(自民党道9区支部 藤沢澄雄 支部長代行)

 しかし後任選びは難航。投票で3人を道連に推薦しましたが、投票直前に選考委員が不適切発言をしたことで急きょ再投票に。

 ようやく9月29日、広島県出身の会社経営、松下英樹氏に内定しましたが選挙はわずか1か月後。裏金問題に端を発した選挙戦は、時間の壁も立ちはだかります。

 「(総選挙まで)絶対に時間はない、実際。動いてみないとわからない。どういう結果になるのか」(自民党道9区支部 千葉英也幹事長)
 
 支部の幹部は”超短期決戦”の行方を警戒しています。

 9区の現職は立憲民主党の山岡達丸氏。

 苫小牧市の事務所でメディアの写真撮影と会見に臨み、自民党陣営の裏金問題は「けじめがついていない」と批判しました。

 「私自身を皆さまの政治を変えていく上での期待の受け皿にさせていただきたい」(立憲民主党 山岡達丸氏)

 選挙が1か月後に迫る中、対抗馬が正式に決まっていないのは山岡氏にとって初めてで、異例の選挙戦です。

 「どういう状況であっても私自身が皆さまに活動を認めていただけるかどうかだと思う。政治が身近にあるということを伝えられるようにしたい」(立憲民主党 山岡達丸氏)

 裏金問題という言わば「敵失」が有利に働くとの見方もありますが。

 「5年間の厳しい浪人期間もあり、認めていただける結果になるかどうか本当に予断は持てない」(立憲民主党 山岡達丸氏)

 裏金問題をきっかけに引き続き議席を取ろうと、地元周りを続けています。

 9区には共産党の立野広志氏も立候補を予定しています。衆議院議員選挙は10月27日投開票の見通しです。

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