自民党の石破茂新総裁はこれまでの主張を封印し、1日に召集される臨時国会の会期末にあたる9日に衆議院を解散することを決めました。
■野党からは一斉に批判の声
石破氏が総理大臣に就任するのは、あくまで1日。しかし、先月30日に石破氏からは「総理の専権事項」ともいわれる「解散」に言及した、極めて異例の発言が飛び出しました。 石破総裁「新政権はできるかぎり早期に、国民の審判を受けることが重要だと考えており、条件が整えば10月27日に解散総選挙を行いたい」
石破氏がこう語ったのは、自民党の新しい執行部の会見。そもそも、この場所に石破氏がいること自体、異例です。
総理大臣に就任する前の表明となったことについて、石破氏は、次のように話します。
石破総裁「かなり異例なことであると承知はいたしております。従いまして、『(総理に選出)されれば』ということを申し上げました。これが不適切なものだというふうに考えているわけではございません」
こう話す石破氏ですが、総裁選の中では早期解散に慎重な姿勢を見せていました。
野党からは、一斉に批判の声が上がっています。
立憲民主党 野田佳彦代表「内閣総理大臣になる前に、もう解散の話をするというのは、私は不見識極まりない、国会軽視だと思っています」 国民民主党 玉木雄一郎代表
「自民党を変える前に、自分自身が変わってしまっているなと」
与野党は1日に召集される臨時国会の会期について協議。与党側は「来週水曜日(9日)までの9日間としたい」と提案しました。
総裁選では、解散前に予算委員会を開くことに前向きな発言をしていた石破氏。しかし、この日程で実現するかは見通せません。
共産党 田村智子委員長「総裁選の中で、石破氏自身がきちんとした議論が必要と述べていた。何もかも手のひら返しですね」
ではなぜ、批判を承知のうえで、早期解散に踏み切る考えを打ち出したのでしょうか?ヒントは、この映像にあります。
石破氏の脇を固める森山裕幹事長や小泉進次郎選挙対策委員長は、いずれも早期解散論者。新しい執行部に、慎重論を唱える人は見当たりません。党内基盤の弱い石破氏は、自分の考えを曲げてでも従わざるを得なかったとみられます。
小泉選対委員長「まず最優先は、目の前に迫っている衆議院の総選挙に向けて準備、そして対応に専念したい」
しかし、自民党が石破新総裁のもと一致団結できるかは不透明です。特に、石破内閣への入閣がゼロとなる安倍派からは、恨み節が聞こえます。
安倍派中堅議員「この内閣で支持率が上がるとは思えない。すべてが終わっている」 安倍派ベテラン議員
「普通は総裁が決まれば、それなりにまとまるけど、今回は特に党員の人がそういう雰囲気じゃない」
一方、連立を組む公明党は、次のように話します。
公明党 石井啓一代表「総理の意向を我々もしっかり受け止めて準備をしたいと思います」
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■与野党一騎打ちへ持ち込む動きが加速■与野党一騎打ちへ持ち込む動きが加速
野党の間では候補者を一本化して、与野党一騎打ちの構図に持ち込もうという動きが加速しています。
日本維新の会 吉村洋文共同代表「裏金議員の選挙区は一本化して勝負をかけていくというのは、僕は筋が通っていると思いますけどね」
解散に言及した石破氏の発言を受け、各党は次のようにコメントしています。
れいわ新選組 山本太郎代表「自民党とは詐欺師であり、統一教会であり、裏金泥棒であり、サタンだ」 教育無償化を実現する会 前原誠司代表
「信頼が崩れていく第一歩になると思う」 社民党 福島みずほ党首
「独りよがりの解散劇と言わざるを得ない」 参政党 神谷宗幣代表
「選挙で国民の信を問うべき」
(「グッド!モーニング」2024年10月1日放送分より)
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