石破総理大臣は4日の閣議で「成長と分配の好循環が力強く回っていく経済を実現しなければならない。賃上げや設備投資などが改善を続けているが、デフレからの脱却を確実なものとすることが必要だ」と述べました。

その上で、物価高の克服、地方を含めた経済成長、それに国民の安全・安心の3つを柱とする経済対策の策定を閣僚に指示しました。

この中では、物価高の影響を特に受ける低所得世帯向けの給付金や、地域の実情に応じた「重点支援地方交付金」などを盛り込むのに加え、エネルギーコストの上昇に強い社会の実現も図るとしています。

また、成長につながる国内投資の促進に取り組み、中堅・中小企業の賃上げも支援するとしています。

さらに、石川県能登地方などの復旧・復興に全力を尽くし、防災体制の抜本強化や避難所の環境整備などを進める方針です。

その上で、10月27日に投票が行われる見通しの衆議院選挙のあと、速やかに経済対策を決定し、今年度の補正予算案を国会に提出する考えを示しました。

一方、石破総理大臣は、能登地方の被災地支援は迅速で切れ目ない対応が必要だとして、10月中旬をめどに予備費を使用した追加の措置を講じることも指示しました。

林官房長官「補正の規模は政策の積み上げ」

林官房長官は閣議のあとの記者会見で「与党とも十分に連携して具体的な施策の検討を進め、総選挙のあと速やかに経済対策を決定し、補正予算案を提出する。規模は具体的な政策の積み上げの結果、決まってくるもので、現時点で何らかのめどを用意しているわけではない」と述べました。

一方、記者団から電気・ガス料金などエネルギー価格を抑えるための対策を講じる考えがあるか問われ「エネルギーコストを含めた物価高への対策は状況を丁寧に見極めながら低所得世帯向けの給付金や『重点支援地方交付金』を含め今後、経済対策を議論する中で総合的に検討していく」と述べました。

加藤財務相「デフレ脱却に全力尽くすべき」

加藤財務大臣は閣議のあとの記者会見で「まずは経済対策の具体的な政策について総理の指示をふまえて与党と連携し検討を進めたい。経済あっての財政であり、今は、デフレではないという状況にはきているものの、デフレ脱却には至っていない。それをしっかりとデフレ脱却という状況にしていく、これにまずは全力を尽くすべきだ」と述べました。

また、補正予算案の編成作業の日程や国会での成立を目指す時期について「これから与党と連携をしながらスケジュールも含めて検討していくことになるかと思う」と述べました。

赤澤経済再生相「『イシバノミクス』と呼ぶ」

赤澤経済再生担当大臣は閣議のあとの記者会見で「物価上昇を上回って賃金が上昇し、成長と分配の好循環を後戻りさせることなくデフレからの脱却を確実なものとするため3年間の集中的な取り組みが必要だ。規制改革の手法なども積極的に活用し取りまとめに尽力したい」と述べました。

また「石破内閣で打ち出す経済政策を『イシバノミクス』と呼ぶ。『経済あっての財政』という考え方に立ってデフレ脱却最優先の経済財政運営を行う。成長分野へ官民挙げての投資を行い、賃上げと投資がけん引する成長型経済の実現を図る」と述べました。

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