4日、国会で初の所信表明演説に臨んだ石破首相。
冒頭に決意を述べると激しいヤジを浴びることとなりました。
【石破茂首相】「私は、日本国内閣総理大臣として全身全霊を捧げ、日本と日本の未来を守りぬいてまいります」
(ヤジ「約束守れ!約束を!)
■政治資金問題について「深い反省」
そしてこの決意の後にまず示したのは、政治資金問題についての「深い反省」でした。
【石破茂首相】「まずは、政治資金問題などをめぐり、国民の政治不信を招いた事態について深い反省とともに触れねばなりません」
【石破茂首相】「政治資金問題で失われた政治への信頼を取り戻すとともに、これまで以上に我が国が置かれている状況を国民の皆さまに説明し、納得と共感をいただきながら安全安心で豊かな日本を再構築する」
■石破首相が掲げる「5本の柱」
その上で石破首相が掲げたのは5本の柱です。
【石破茂首相】「私はルールを守る、日本を守る、国民を守る、地方を守る、若者・女性の機会を守る、これらの5本の柱で日本の未来を創り、そして未来を守ります」
中でも最初に掲げた柱が「ルールを守る」。
これは、自民党総裁選挙に出馬した当初から掲げてきたことでした。
【石破茂首相】「ルールを守る政治でありたい」「節度を持って集めたお金」「限りない透明性を持って国民に向けて公開をいたしてまいります」
ただ、4日の所信表明演説では「政治資金問題を指摘された議員に反省を求める」などと述べるにとどまり…。
【石破茂首相】「私自身も説明責任を果たし、更に透明性を高める努力を最大限してまいることを固くお約束申し上げます」
■2020年代に最低賃金を「全国平均1500円に」
2日、アメリカのバイデン大統領と就任後初めての電話会談を行い、「非常に話が弾んだ感じがする」との感想を述べていた石破首相。外交・安全保障についてはこう述べました。
【石破茂首相】「現実的な国益を踏まえた外交により、日米同盟を基軸に友好国・同志国を増やし外交力と防衛力の両輪をバランスよく強化し、我が国の平和、地域の安定を実現します」
また「国民を守る」の柱では物価に負けない賃上げを定着させることを掲げ…。
【石破茂首相】「最低賃金を着実に引き上げ、2020年代に全国平均1500円という高い目標に向かってたゆまぬ努力を続けます」
(ヤジ「絶対実現してよ!」)
岸田前首相が掲げていた、「2030年代半ばまでに全国加重平均を1500円に」という目標よりも早い実現を打ち出しました。
■「防災庁」設置へ 「平時からの官民連携体制を構築」
さらに、声に力をこめたのが「防災」の分野。
【石破茂首相】「被災して大きな悲しみや不安を抱えている方々に手を差し伸べ、温かい食事・安心できる居住環境を提供することが必要です」
従来から「防災省」の創設を提唱してきた石破首相は、当面の目標として「防災庁」を設置する準備を行う考えを示しました。
【石破茂首相】「避難所の在り方を見直し、発災後速やかにトイレ・キッチンカー・ベッド・風呂を配備しうる平時からの官民連携体制を構築します」
■『地方こそ成長の主役』「地方創生」に強い思い
自らが初代の担当大臣を務めた「地方創生」にも強い思い入れをにじませました。
【石破茂首相】「『地方こそ成長の主役』です。地方創生をめぐるこれまでの成果と反省を活かし、地方創生2.0として再起動させます。全国各地の取り組みを一層強力に支援するため、地方創生の交付金を当初予算ベースで倍増することを目指します」
そのほか、男女間の賃金格差の是正を喫緊の課題とするなど、若者や女性の機会を守る政策を推し進める考えを示した石破首相。
そして最後、自身の政治に対する思いを踏まえ、決意を述べる場面では…
【石破茂首相】「政治を信じていただいている国民の皆さま方が、決して多くないことを私は承知しております。しかし政治は国民を信じているのでしょうか。国民を信じない政治が、国民の皆様に信じてもらえるわけがありません。
勇気と真心をもって真実を語り、国民の皆様の納得と共感を得られる政治を実践することにより、政治に対する信頼を取り戻し、日本の未来を創り、日本の未来を守り抜く決意です」
■立憲・野田代表「近代まれに見るスカスカの所信表明」とバッサリ切り捨て
大きなヤジと拍手が入り混じる中、34分間にわたる所信表明演説を終えましたが…、演説後、取材に応じた立憲民主党の野田代表は、こうばっさり切り捨てました。
【立憲民主党 野田佳彦代表】「近代まれに見るスカスカの所信表明じゃないですか。総裁選挙のときには極めて具体的に熱っぽく語っていたことが全然入ってないんですよ。
筋を通すタイプの政治家だと思って皆さんが期待していたと思います。私もある種ライバル政党ではありますけど、そういうタイプのリーダーだな、手強いなと思ってました、ところが見事に言行不一致。これは政治に対する信頼を失墜させると思います」
(関西テレビ「newsランナー」 2024年10月4日放送)
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。