足立康史衆院議員=大阪市内で2024年9月26日、東久保逸夫撮影

 15日公示、27日投開票予定の衆院選で大阪9区(箕面市、茨木市など)に無所属で立候補する予定だった足立康史衆院議員(58)が6日、出馬を取りやめ、政界を引退する意向を明らかにした。足立氏は6月に日本維新の会から党員資格停止6カ月の処分を受け、維新が対抗馬の擁立を検討していた。

 足立氏は6日、自身のX(ツイッター)で、維新が大阪9区に公認候補の擁立を決めたとして、衆院選から撤退し、衆院解散をもって政界から引退すると説明。「大阪と関西そして日本に、透明で公正な経済社会を築かんと走り続けてまいりましたが、私の仕事はここまでと判断いたしました」とのコメントを投稿した。

 足立氏は経済産業省を経て、「2011年の東日本大震災をきっかけに」政界入り。12年衆院選で初当選し、現在4期目。党政調会長などを経て22年の党代表選に立候補し、馬場伸幸代表に敗れた。

 19年にはツイッターで作家の百田尚樹氏らを侮辱する表現をしたとして、党から厳重注意処分を受けた。国会でも他党を中傷する発言を繰り返し、懲罰動議を何度も出されるなど、その言動が度々物議を醸してきた。

 6月に党員資格停止処分を受けたのも、4月の衆院東京15区補選を巡るSNS(ネット交流サービス)投稿がきっかけだった。党による機関紙の配布について、「公職選挙法に抵触する恐れがある」との趣旨の指摘だったが、党から「不適切」と判断された。

 維新は次期衆院選で、大阪府内19選挙区のうち、9区を除く18選挙区で公認候補を決定していた。最近になって、党内から「大阪の全ての選挙区に公認候補がいないのはおかしい」などの声が上がり、党所属地方議員らに立候補の意向を聴取。9区にも公認候補を立てる方向で調整を進めていた。【東久保逸夫】

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。