立憲民主党の野田佳彦代表は6日、訪問先の岐阜県可児市の演説で、次期衆院選で政治とカネの問題とともに「世襲」が争点になると強調し、国会議員の世襲制限を進める考えを示した。ただし、引退を表明した立憲の中村喜四郎衆院議員の茨城7区では、中村氏の長男が無所属での立候補を表明し、野田氏は事実上容認。対抗馬の擁立も見送る考えで、野田氏の自民党に対する「世襲」批判は、ダブルスタンダードとの批判を招きかない状況だ。
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野田氏は演説で「世襲は見逃してはならない自民の政治文化だ。民主主義国家としておかしい。もっと有為な人材が地域にいるはずだが、世襲がこれを阻んでいる」と批判。いわゆる「地盤、看板、カバン」を持たない候補者が選挙で不利な状況に置かれていると指摘した。
先の自民総裁選では、立候補した9人のうち、親が国会議員だったのは5人(義理の親も含む)にのぼった。立憲はこうした自民議員の世襲の多さを問題視してきており、7日にも公表する衆院選公約に国会議員の世襲制限を盛り込む方針だ。
一方、立憲の中村氏(茨城7区)は9月下旬に引退を表明し、直後に長男が同区から「野党系無所属」として立候補を表明。長男は会見で「父の残したものや、後援会が守り抜いてきたものがあるから、こういった形で挑戦できる」と述べ、地盤に支えられている利点を認めている。
街頭演説後に茨城7区の世襲について問われた野田氏は「党の公認ではない。無所属で出られる方を、どうのこうの言う立場ではない」と問題視しない姿勢を示し、対抗馬については「現時点で考えられない」と否定した。(大久保貴裕)
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