(有働由美子キャスター)石破総理、思い切った賭けにでました。

■安倍派幹部ら少なくとも6人
衆院選での裏金議員の公認問題について、石破総理大臣は党の処分の重い人で説明責任を果たしていない議員らを「非公認」とする方針を明らかにしました。
(石破茂総理大臣)「まず小選挙区の公認についてでありますが、党則で定めております8段階の処分のうち、『選挙における非公認』よりも重い処分を受けた者については非公認とする」
非公認よりも重い処分を受けた者、この条件に該当するのは、党員資格停止処分を受けた下村博文衆院議員、西村康稔衆院議員、高木毅衆院議員の3人です。

(石破茂総理大臣)「また『選挙の非公認』よりも軽い処分であっても、現時点で引き続き処分が継続している者については、政倫審で説明責任を果たしている者を除き、非公認とする」
軽い処分でも継続している者(政倫審で説明責任を果たした者を除く)、この条件に該当するのは、党の役職停止1年間の処分が続き、政治倫理審査会に出席していない、萩生田光一衆院議員、三ッ林裕巳衆院議員、平沢勝栄衆院議員の3人です。

また、“裏金問題”で党の処分を受けた議員のうち説明責任が十分に果たされず、地元の理解が十分に進んでいないと判断される議員についても、非公認とする方針を示しました。
(石破茂総理大臣)「結果として相当程度の非公認が生ずることとなるが、国民の信頼を得る観点から公認権者として、責任を持って最終的に判断をしていくものとする」

さらに石破総理は、党の処分を受けなかったその他の裏金議員について、選挙区での公認は認めますが、復活当選の可能性がある比例代表への重複立候補は認めないとの方針も発表しました。

■“原則公認”から一転ナゼ
なぜ石破総理は、裏金議員の「相当程度」を非公認とする大きな決断をしたのでしょうか?
非公認が決まった高木毅衆院議員が取材に応じました。
(高木毅衆院議員)「まだ党から何かを聞いたわけではございません」
Q.非公認という判断の重さについてはどのように感じますか?
「これはもう本当に私にとって大変厳しい判断をいただいたと思っていますけれども、一から出直すという気持ちで反省もしながら頑張っていきたいと。」
Q.出馬の判断に関しては変わることはない?
「そうですね。是非とも立候補せていただきたいと思っております」
高木氏が出馬予定の福井2区では、他にご覧の方々が立候補を予定しています。(立件民主党 辻英之氏、日本共産党 小柳茂臣氏、無職属 斉木武志氏)

■“変節ぶり”を野党批判
(立憲民主党 野田佳彦代表)「大甘な処分ですね。解散を急ぎ過ぎるからこういうドタバタで、結局基準というのは4月の大甘な処分を基準にしているというところから、スタートから私は間違っていると思うんです」

日本維新の会の馬場代表は、「国民の目を欺くための弥縫策であると断じざるを得ない」と述べています。

共産党の小池書記局長は「世論の反発が大きかったので今になって慌てて処分したとしか思えず、石破さんらしいぶれ方だ」

国民民主党の玉木代表は、「内部抗争で安倍派の議員をできるだけ落選をさせようという内向きの処分にも見える」

れいわ新選組の山本代表は「組織的な裏金作りの全容解明は行わず、選挙に負ければ死人に口なし。これが本質」

社民党の福島党首は「そもそも裏金問題については調査をきちんとすべきであり、公認することそのものが問題である」

おとといの時点で自民党は、裏金議員を“原則公認”し、比例重複も認める方針で調整していました。

(石破茂総理大臣)「まずは政治資金問題などをめぐり、国民の政治不信を招いた事態について、深い反省とともに…」
「まだ政治不信だぞ」
「なんで裏金議員公認するんだ」

衆議院の解散をめぐっても石破総理は当初“早期の解散”に慎重でしたが、その主張を一変。戦後最速となる総理就任から9日目の解散を決断しています。

今回、立憲民主党の選挙対策本部のナンバー2に就任した小沢氏は…
Q.なぜ石破氏の発言はブレた?
(立憲民主党 総合選挙対策本部本部長代行 小沢一郎衆院議員)「彼の言ってきたことはね理想論と言えば理想論、きれいごとと言えばきれいごと、総理になると思わなかったから色々言ったんじゃないですかね。しかし総理になってみると、党内的にもとてもとても、今まで言ってきたことはやれないということで妥協しちゃったんじゃないかな」
再び急転した裏金議員の公認問題。決断の背景に何があったのでしょうか?

10月6日『有働Times』より

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