立憲民主党は7日、次期衆院選の公約を発表した。「政権交代こそ、最大の政治改革。」と掲げ、企業・団体献金の禁止や国会議員の政治資金の世襲制限を打ち出した。「分厚い中間層の復活」を目指し、中低所得者向けに消費税を還付する「給付付き税額控除」の導入を盛り込んだ。12月に廃止予定の紙の健康保険証について、国民の不安が払拭されるまで存続させることを明記した。

◆「政治の信頼回復」を最優先課題に

 野田佳彦代表は記者会見で「政治を正すことが今の日本にとって一番大事なこと。一丁目一番地は政治改革だ」と自民との違いを強調した。公約の7つの柱のうち政治改革を1番目に据え、自民の派閥パーティー裏金事件で失われた政治への信頼回復を最優先課題に位置付けた。

7日、衆院本会議で代表質問する立憲民主党の野田代表(佐藤哲紀撮影)

 具体的には、企業・団体献金の禁止や政策活動費の廃止などを盛り込んだ政治資金規正法の再改正を目指す。また、現在は非課税となっている政治資金の相続を課税対象として国会議員の世襲を制限することや、旧文通費(調査研究広報滞在費)の使途明確化と公開も進めるとした。

◆「最低賃金1500円」「給付付き税額控除」

 経済政策では、最低賃金1500円以上の実現などを掲げた。「給付付き税額控除」は、中低所得者が負担する税の一部を控除し、負担額が低くて控除しきれない場合は給付する制度。前回2021年の衆院選で訴えた時限的な消費減税は見送った。野田氏は「消費税のあり方は代表選でも最も争点になったテーマ。給付付き税額控除が党の到達点だ」と語った。  エネルギー政策では、原発の新増設や地元合意のない再稼働は認めないとしたが、「原発ゼロ」の表現は盛り込まなかった。  外交・安全保障を巡っては、日米同盟を基軸とした「安定した政策」の継続を強調する。「防衛増税」は行わず、急増した防衛予算を精査するとした。また、沖縄県名護市辺野古(へのこ)の新基地工事を中止し、沖縄の基地のあり方や日米地位協定の見直しについて米国に再交渉を求めると記した。  このほか、多様性を認め合える社会に向け、選択的夫婦別姓制度の実現やジェンダー平等の着実な推進などを掲げ、自民党との違いを示した。(中沢穣)


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