7日の衆議院に引き続き、8日は参議院で行われた代表質問。
野党・立憲民主党の質問は、石破首相に対する“祝福と失望”がないまぜになった、ある発言から始まりました。
■「手のひらを反す早さにびっくり」と痛烈な批判
【立憲民主党 田名部(たなぶ)匡代参院幹事長】「総理、まずはご就任、誠におめでとうございます。『与党内野党』と言われながら、権力に厳しい姿勢を貫いてこられた総理に期待した国民もいたと思います。私も一瞬、期待をしました。しかし、手のひらを返す速さにびっくりです」
立憲民主党の田名部議員が指摘したのは、自民党総裁、ひいては総理大臣になる前と後での、選択的夫婦別姓についての発言の揺らぎです。
【立憲民主党 田名部匡代参院幹事長】「総理は8月24日の出馬会見において、『姓を選べないことによる不利益は解消されなければならない』と述べておられました。総理、選択的夫婦別姓制度に賛成・反対、どちらですか?」
この問いに対し石破首相は、次のように答弁書を読み上げました。
【石破茂首相】「制度のあり方については、国民の間にさまざまなご意見があることを承知いたしております。家族のあり方の根幹にかかわる問題でもあり、最高裁決定におきましても、国会で論ぜられ、判断されるべき事柄であるとの指摘がなされております」
さらに、「政府としては国民各層の意見や国会の議論の動向を踏まえて、必要な検討を行う」と述べました。
派閥の“裏金問題”については…。
【立憲民主党 田名部匡代参院幹事長】「国民の信頼を取り戻すためにも、まずは真実を明らかにしなければなりません。総理は『新しい事実が判明すれば再調査をする』と繰り返してきました」
これに対しても、答弁書から目を離すことなく、こう読み上げました。
【石破茂首相】「政治資金収支報告書の不記載に関する一連の問題につきましては、第三者である検察による厳正な捜査が行われ、法と証拠に基づき刑事事件として取り上げるべきものは立件されてきたと承知しています」
■裏金問題の究明についても厳しい追及が続く
“裏金問題”については、他の会派からも手厳しい質問が投げかけられました。
【日本維新の会 浅田均議員】「派閥のパーティー収入記載に端を発した、いわゆる裏金問題の原因は究明されたとお考えですか?究明されたとしたら、原因は何でしょうか。究明されていないなら、究明しようとしないのはなぜですか?お答えください」
【石破茂首相】「これまで第三者である検察による厳正な捜査が行われるとともに、自民党における外部の弁護士を交えた聞き取り調査や、当事者自身による会見等での説明も行われ、さまざまな関係者による事実関係の把握、解明の努力が進められてきた。国民の信頼を回復するために今後さらに行うべきことは、これまでの取り組みの経緯を踏まえつつ、適切に判断してまいります」
【国民民主党 棒葉(しんば)賀津也議員】「『必要なのは刷新感ではない。本当に刷新されたかどうかだ』。総裁選中のあなた自身の言葉です。総理、有言実行。解散前になぜ裏金問題にけじめをつけないのですか?」
【石破茂首相】「このたびの選挙にあたり、自民党党則における『選挙での非公認』より重い処分を受けたものは非公認とし、その他の不記載があった議員についても比例名簿には登載しないとの方針を示したところです。政治資金をめぐる問題に対する国民の不信・怒りに対し、党として誠実に対応してまいる所存です」
■批判が続く中…9日に衆議院解散の見通し
そして共産党からは、能登の災害のための補正予算を編成することなく、解散することへの批判が。
【共産党 田村智子委員長】「(能登で)まず温かな食事も、安心できる居住環境も、今すぐ提供する手立てを政府が尽くすべきではありませんか?補正予算の編成が今国会で必要なのではありませんか?答弁を求めます。私たちは総理の言葉の何を信じれば良いのでしょうか?」
【石破茂首相】「今般策定することにしております。総合経済対策と、その裏付けとなる補正予算において、能登の地震や豪雨からの復旧・復興にも対応することとなりますが、予備費の活用により、さらに迅速な対応が可能となるものであります」
野党が課題の積み残しを主張する中、9日、衆議院が解散される見通しです。
(関西テレビ「newsランナー」2024年10月8日放送)
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