二階俊博氏「年齢を考えればここらが引き時」

衆議院和歌山3区選出で13回の当選を重ね、自民党幹事長を歴代最長の5年余りにわたって務めた二階俊博氏は、9日夕方、記者団に対し、「みずからの年齢を考えればここらが引き時だ。秘書を出発点に政治の道に入り、まっしぐらに歩んできた。多くの友人に恵まれ、いずれも非常に思い出の深い、印象的な毎日を送らせていただいたことに感謝したい」と述べました。

そして、幹事長時代について「精いっぱい、自分を捨て、自分の取り分は考えずにただひたすら頑張ってきたことに尽きる」と振り返りました。

また、派閥のあり方については「世間に批判されることを取り除いていけば、派閥の存在は悪いことではない。表向きのきれい事だけ言わず、同志・仲間を大切にして、ちゃんと応援してあげることはこれからも大事だ」と、最後まで二階節を貫きました。

塩谷立氏「若い人にバトンタッチする判断した」

衆議院比例代表東海ブロック選出で10回の当選を重ね、文部科学大臣のほか自民党旧安倍派の座長などを務めた塩谷立氏は、NHKの取材に対し、「若い人にバトンタッチする判断をした。政治とカネの問題で、相当厳しい状況がずっと続いたが、これは明らかに党の対応の失敗だった。本質的な議論がなされず、真相解明もされず、いまだにいろいろな面で追及される残念な状況だ」と述べました。

その上で、「今の問題だけでなく、将来のことを考えてきた。科学技術など日本の得意分野を磨き進めていけるようなこれからの若い人たちに期待したい」と述べました。

菅直人氏「原発事故翌日 現場に行ったこと間違っていなかった」

衆議院東京18区選出で14回の当選を重ねた立憲民主党の菅直人・元総理大臣は記者会見で、政権運営などで印象に残っていることについて「東京電力福島第一原発の事故で、翌日、現場に行ったことだ。多少評価が分かれるが、事態を把握する意味では間違っていなかったと思う。当時の責任者として全力を尽くした。薬害エイズ問題でも重要な仕事ができた」と振り返りました。

そして、今後の政治について「私は『最小不幸社会』という言葉を使ってきたが、不幸を強制力でいかに少なくするかが政治のいちばん大きな役割だ。現役の後輩に頑張ってもらい、もう1度政権交代をしてもらいたい」と述べました。

中川正春氏「未来の国のかたちを語り いまを語るのが野党」

衆議院比例代表東海ブロック選出で9回の当選を重ね民主党政権で文部科学大臣などを務めた立憲民主党の中川正春氏はNHKの取材に対し、みずからの実績について「議員立法で『日本語教育推進法』をつくることができたことだ。それに基づいて文部科学省が教育の質の保証をした上で外国人が日本語を習得できる仕組みもできた」と述べました。

また、野党のあり方について「未来の国のかたちを語り、それを前提にいまを語るのが野党だ。よい時も悪い時もあるが、1つの党でずっとやりながら将来の姿を議論していくことが大事だ」と指摘しました。

北側一雄氏「初当選から34年 存分仕事し思い残すところない」

衆議院大阪16区選出で10回の当選を重ね、国土交通大臣などを歴任した公明党の北側一雄氏は、NHKの取材に対し、「初当選から34年以上、思う存分仕事をして、思い残すところはない。大きな課題にぶつかって悩み苦しんだこともいっぱいあったが、課題の解決に奮闘したことは、政治家として非常にやりがいがあった」と述べました。

また、安全保障関連法の整備に与党の中心メンバーとして力を尽くした経緯を振り返り、「今の安全保障環境を考えても法律ができていてよかった。軍事力は強化しなければいけないが、一方で歯止めをきちんと作り、国民の理解を得ることが大事だ。その意味で公明党が果たしてきた役割は大きく、これからもそうだと思う」と述べました。

穀田恵二氏「未来 平和に希望持てる社会にすること政治の役割」

衆議院比例代表近畿ブロック選出で10回の当選を重ね、長年にわたって国会対策委員長を務めた共産党の穀田恵二氏はNHKの取材に対し、「1995年の阪神・淡路大震災の直後に予算委員会の集中審議があり、そこで初めて被災者の生活再建や支援について提起したことは特に印象に残っている」と述べました。

また、今後の政治について「国民が未来や平和に希望を持てる社会にすることが政治の役割だ。憲法には、『政府の行為によって再び戦争の惨禍が起こることのないようにすることを決意し』と書いてあるわけで、そのことをしっかり肝に銘じてやってほしい」と強調しました。

20人余りが引退

今回の衆議院解散を受けて、与野党あわせて20人余りが、次の選挙には立候補せず、今期限りで引退します。

NHKの取材によりますと、これまでに▽自民党で9人、▽立憲民主党で3人、▽日本維新の会で1人、▽公明党で5人、▽共産党で2人、▽無所属で1人が引退を表明しています。

(引退表明している議員・敬称略)
▼自民党
二階俊博氏、林幹雄氏、根本匠氏、江崎鉄磨氏、桜田義孝氏、吉野正芳氏、奥野信亮氏、金田勝年氏、大西英男氏
▼立憲民主党
中村喜四郎氏、菅直人氏、中川正春氏
▼日本維新の会
足立康史氏
▼公明党
北側一雄氏、高木陽介氏、大口善徳氏、古屋範子氏、伊藤渉氏
▼共産党
穀田恵二氏、笠井亮氏
▼無所属
塩谷立氏

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