野党が「裏金隠し解散だ」と批判を強めるなか、石破総理が初めて臨んだ党首討論。異例の80分に及ぶ直接対決です。
■石破総理vs野田代表“直接対決”
立憲民主党 野田代表(67)
「脱税まがいのことをやった人たちに血税が支払われるかも知れない。私は国民感情から到底、理解することはできないと思います」
石破総理大臣(67)
「今、脱税というお話をなさいました。誰かがどんな脱税をしたか立件をされているのでしょうか?」
臨時国会最後にして、最大の山場となった党首討論。
野田代表
「我々も協力する。だから会期延長して補正予算通そうじゃありませんか」
石破総理大臣
「決して補正予算審議を逃げておるつもりは私はございません。能登を置き去りにするつもりは全くございません。そのようないい加減なことを私どもは致しません」
来たる衆議院選挙の判断材料となる論戦が交わされました。
野田代表
「裏金議員と言っていいんでしょうか、いわゆる裏金議員。結局12人が非公認ということになりました。『相当程度、非公認』と総理はおっしゃってたと思います。これ相当程度、非公認なんでしょうか?公認される人は30人を超えるんじゃないですか。正確な日本語で言うと、相当程度が公認じゃないですか。もっと正確に言うと、大半が公認じゃないですか」
石破総理大臣
「代表は本当に言葉を大切にされる方だということは長いお付き合いでよく存じております。大変つらい決断ではございましたが、公認しないという方を出しました。それが少ないとおっしゃいますけど、それがどれほど厳しいものであるか、それぞれの人にとってどれほどつらいものであるか、よくよく判断をしたうえのことでございます。最終的な判断は主権者たる国民の皆様方にお任せを致します。しかし私は、これが甘いとかいい加減だと、そのようなことは一切考えておりません」
野田代表
「ちょっとじゃあ端的に聞きますよ。非公認で立候補された場合、当選しますよね、追加公認されるんですか?」
石破総理大臣
「主権者たる国民の皆様方がご判断をされた場合には、それは公認するということはございます」
野田代表
「よくよく考えてご判断をされたと、さっきされましたけどね、果たしてそうなんですかね。本音をおっしゃっているんです。全国幹事長会議で総理は『どうすれば我が党が勝てるかを判断をした』『政治資金問題に対する批判は私どもが思っているより、はるかに強い』。要は批判が強いから厳しいような対応に見せているということではありませんか?」
石破総理大臣
「自民党が勝つためにはどうすればよいかということは党利党略だというお話かと思います。私どもとして日本国を守り、国民を守り、そしてデフレを脱却するためには私どもが政権を引き続き、担わしていただくということが最も肝要であると考えておる次第でございます。従いまして今回、国会を解散をし、正々堂々、国民の皆様のご審判を仰ぐ、これが我々の姿勢でございます」
野田代表
「裏金問題を新しい事実が出てこない限りは再調査しないと、10月1日にも言っている。ずっと言い続けていますよね。でも新しい事実は次々出てきているんです。再調査すべきじゃないですか?」
石破総理大臣
「今まで最大限の努力をして調査を致して参りました。今後ともそういう必要があれば、そういうことは否定を致しません」
■「裏金隠し解散だ」激しい論戦
野田代表
「再調査もしないでうやむやにして早く解散をすると、これね、裏金隠し解散じゃありませんか。党がやらないんだったら予算委員会で証人喚問させて下さい」
石破総理大臣
「予算委員会を開くかどうかは国会における議論において、お決めをいただくことだと承知を致しております」
野田代表
「今回ね被災地に行かれました。涙も流れる、そういう場面もあったと思います。あの被災地を見て選挙できると思いましたか?道路の寸断、通行止め40カ所あるんですよ。投票所を避難所にせざるを得なくなっている所もあるんですよ。到底、選挙なんができないと思うはずです。見て来なかったんですか、節穴ですか、その目は。失礼な言い方して申し訳ないけど、おかしいですよ。あれで選挙執行できると思ったんですか」
石破総理大臣
「今回、被災地にそういう問題にアドバイザーを派遣を致しました。ここにおいて本当に投票が可能であるのかどうか、今の政治に対して色んな思いを最も持っておられるのは、ひょっとしたら被災地の方々かもしれません。そういう方々の思いが決してないがしろになることがないよう、この選挙の執行に関しましては、私は責任を持って万全を期して参ります」
■石破総理vs馬場代表「猫の目解散だ」
野田代表が「裏金隠し解散」と命名すれば、維新の会の馬場代表(59)は…。
維新の会 馬場代表
「私はこの解散を命名するとすれば『猫の目解散』。くるくるくるくるとリーダーである総理総裁の言うことが変わると。自分が総理になれば、予算委員会を開いて議論したいとおっしゃった。それはどこかに行ってしまった。そして政策もそうですよ。アジア版NATOやりたい、金融所得課税を拡充したい、憲法9条2項を削除したい。総理になられた瞬間に、その考え方はすべて雲散霧消している」
石破総理大臣
「私どもは独裁政党ではございません。総裁が代表がこうだから、それがそのまま政策になるわけではございません。これから先、我が党のなかで丁寧に議論をしながら我が党の在り方を確立して参ります」
■石破総理vs田村委員長“対決”
共産党の田村委員長(59)は「日本社会の在り方」をテーマに論戦に挑みました。
共産党 田村委員長
「一日7時間、週35時間労働制を大きな目標として、これを実現するために政治の責任を果たしていくと、これやるべきだと思うんです。いかがでしょうか?」
石破総理大臣
「今の労働時間のお話がありました。これはもっと短くないといけないと思っております。長ければ長いほど生産性が上がるかと言えば、そんなことは全くございません。今後とも取り組んで参ることはお約束申し上げます」
■石破総理vs玉木代表“直接対決”
国民民主党の玉木代表(55)は石破総理が廃止を含めて議論するとした政策活動費について問いただしました。
国民民主党 玉木代表
「この選挙に関して1円も政策活動費は使わないと、ここで明言して下さい」
石破総理大臣
「現在、許されております政策活動費を使うということは可能性としては否定は致しません」
玉木代表
「自民党は公開義務のかかってない何十億と言われるお金を使って、まもなく始まる選挙を戦うんですか。問われているんですよ、政治のありようが」
石破総理大臣
「『この選挙何だったんだ』と『自民党は何でもやるのか』と指弾を浴びることがないよう、私自身、お金の使い道には心して臨みたいと思っております」
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。