公明党は9日、次期衆院選で自民党の公認候補174人を推薦すると発表した。派閥の政治資金問題で自民党が非公認を決めた埼玉13区の三ツ林裕巳元内閣府副大臣と兵庫9区の西村康稔元経済産業相も推薦した。
公明党は政治資金収支報告書の不記載議員への推薦に関し①公明党の党員・支持者への説明責任②自公両党の協調関係への貢献③地元支持者の理解――を軸に個別に判断する方針を示す。
西田実仁幹事長は同日の記者会見で、三ツ林氏と西村氏への推薦の理由を巡り「独自の判断をしている。地元の意向を最大限に尊重した結果だ」と説明した。公明党本部に2氏から直接推薦の依頼があったとも明かした。
公明党は衆院選で政策活動費の廃止など政治改革の必要性を訴えている。西田氏は自民党が公認しないと判断した議員を推薦することになると問われ「不記載の議員と同様に、地元で判断した」との説明に終始した。
9月末に就任したばかりの石井啓一代表は今回の衆院選で新区割りの埼玉14区から出馬する。選挙区の一部はかつて三ツ林氏の地盤だった。
兵庫も公明党が2選挙区で独自候補を擁立し日本維新の会などとの激戦が見込まれる。西村氏は自民党の県連会長を務めた。
自民党内では「政治改革をうたいながら衆院選を見据えて票がほしい思惑が露骨だ」との声があがる。立憲民主党幹部は「クリーンな政党とはほど遠い」と批判した。
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。