会談は9日午後6時からおよそ45分間行われ、両外相は、日中両国が戦略的互恵関係を包括的に推進し、建設的かつ安定的な関係を構築するという大きな方向性を共有していることを確認しました。

そのうえで岩屋大臣は先月、中国で日本人学校に通う男子児童が登校中に刃物を持った男に襲われて死亡した事件について「中国の在留邦人の不安が高まっている」と指摘し、一刻も早い事実の解明を求めるとともに、両国で再発防止策を確認していくことを提案しました。

また、東京電力福島第一原発にたまる処理水の海洋放出をめぐり、両外相は日中両国が日本産水産物の輸入を再開することで合意したことを評価し、岩屋大臣は、再開を早期に実現するよう求めました。

さらに岩屋大臣は、中国が東シナ海で軍事活動を活発化させていることに深刻な懸念を伝えるとともに、台湾について「最近の軍事情勢を含む動向を注視している」と述べ、台湾海峡の平和と安定は国際社会にとって極めて重要だと強調しました。

このあと岩屋大臣は、イスラエルのカッツ外相とも電話で会談し「中東情勢の悪化を深く懸念し、エスカレーションを強く非難する」と述べ、イスラエルとヒズボラの間の即時停戦が重要だとして、自制を強く求めました。

一連の会談を終えた岩屋大臣は記者団に対し、王毅外相との会談について「日中間では、ハイレベルの対話をしっかり積み重ねることが重要で、今後も率直な対話を行いたい」と述べました。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。