9日の党首討論の主なやりとりは次の通り。
【不記載議員の非公認】
野田佳彦立憲民主党代表 自民党派閥裏金事件に関与した前議員の大半が公認だ。国民感情から到底理解できない。
石破茂首相 厳正な議論を経て、公認しないと決断した。最終的な判断は主権者の国民に任せる。
野田氏 非公認の立候補者が当選した場合、追加公認するか。
首相 主権者である国民の判断があれば、追加公認はあり得る。
馬場伸幸日本維新の会代表 来年夏の参院選で裏金議員に対し、衆院選と同じ物差しで公認、非公認を決めるのか。
首相 同じ国会議員なので、衆院と参院で違う対応はしない。
【政治資金問題再調査】
野田氏 首相は新しい事実が出ない限り、裏金事件の再調査を否定した。だが裁判所が事実認定した新事実がある。再調査すべきだ。
首相 再調査を全く否定するものではない。
野田氏 再調査せず、うやむやにして早く解散しようとしている。「裏金隠し解散」だ。
【衆院選】
野田氏 「ご祝儀相場」のうちに解散すれば勝てるだろうと、早期の衆院解散を決めたのか。
首相 国を守り、国民を守り、デフレを脱却するためには、私どもが政権を引き続き担わせていただくことが最も肝要だと考えている。
【補正予算】
野田氏 臨時国会を会期延長して予算委員会を開くべきだ。
首相 予算委開催は国会が決めることだ。衆院選で国民の判断を得た後、補正予算案を審議し早期成立を期す。
【政治改革】
野田氏 企業・団体献金の禁止からスタートすることが大事だ。
首相 大事なのは政策が左右されないかどうかで、献金は認めるべきだ。
馬場氏 首相就任後、新たに企業・団体献金の申し出があった場合、どう対応するか。
首相 寄付を頂いた企業・団体に有利に取り計らったことは一切ない。この職を務めている間は政治資金パーティーを開催するつもりは全くない。
【安全保障】
馬場氏 自民総裁選で唱えていた日米地位協定改定やアジア版NATO(北大西洋条約機構)構想が雲散霧消した。
首相 自民は独裁政党ではない。総裁が言えばそのまま政策になるわけではない。これから党内で議論していく。
【政策活動費】
玉木雄一郎国民民主党代表 今回の衆院選では政策活動費を使わないと明言してほしい。
首相 現在認められており、使うことはある。選挙区で厳しい戦いをしている地域もある。
玉木氏 問題発言だ。何に使い、誰に渡したか分からず選挙がゆがむ。
【旧石破派】
野田氏 旧石破派の政治資金パーティーで裏金問題が指摘された。
首相 裏金化して誰かが利益を得たということは一切ない。
【憲法改正】
馬場氏 衆参両院の憲法審査会で改憲論議が進まない。
首相 自民総裁として改憲が発議され、国民投票をする日が一日も早く来るよう努力する。
【賃上げ、労働改革】
田村智子共産党委員長 労働時間が長過ぎる。ゆとりが欲しいとの切実な声に応え「1日7時間、週35時間」労働制の実現に責任を果たすべきだ。
首相 労働時間はもっと短くなければいけない。長ければ生産性が上がるということは全くない。〔共同〕
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