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衆議院が解散されました。石破総理大臣の就任からわずか8日、戦後最短での解散です。まだ発足したばかりの石破政権は国民の信任を得ることができるのか。裏金問題で批判を強める野党側は、政権交代を実現するだけの支持を集めることができるのか。駆け足の、混戦模様の選挙戦が事実上、スタートしました。

■就任から8日“戦後最短”解散

9日限りでの引退を表明している人に、次の選挙への不出馬を表明している人。この面々が議場に集う最後の本会議です。紫色のふくさに包まれた解散詔書が本会議場に運ばれ、その時が訪れました。

額賀福志郎衆院議長
「日本国憲法第7条により衆議院を解散する」

失職した議員たちを乗せて、一斉に動き出す黒塗りの車。一刻を争って、それぞれの選挙区へと向かいます。

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■“裏金議員”公認めぐり論戦
■“裏金議員”公認めぐり論戦

解散の3時間前。臨時国会、最後の論戦となる、党首討論が行われました。

1番、立憲、野田代表。

立憲民主党 野田佳彦代表
「9日も大きな動きがありました。“裏金議員”と言っていいんでしょうか、政治資金規正法上の不記載の議員の皆さんの公認をするかしないかの対応です。新たに6人加わって結局12人が非公認になりました。『相当程度、非公認』と総理は言っていたと思います。これ『相当程度、非公認』なんでしょうか。公認される人は30人を超えるんじゃないですか。正確な日本語で言うと『相当程度が公認』じゃないですか」

石破茂総理大臣
「(野田)代表は本当に言葉を大切にする方だということは長いお付き合いでよく存じている。裏金というのは、私は決めつけだと思っている。それは不記載ということであって、つまり誰からいくらいただき、それをどのように使ったか、それの出入りが示されることが重要なのであって、その記載をしなかった。そのことは本当におわびをしていかなければなりません。私自身、今当選12回ですが、2回無所属で戦いました。公認がないということがどんなにつらいことであるか百も万も承知をしています。公認しない方を出しました。それが『少ない』と言いますけど、どれほど厳しいものであるか、それぞれの人にとってどれほどつらいものであるか、よくよく判断をしたうえのことです。これが『甘い』とか『いい加減』だと、そのようなことは一切考えていない」

立憲民主党 野田佳彦代表
「非公認で立候補された場合、当選しますよね、追加公認するんですか?」

石破茂総理大臣
「全ての国民の代表者としてふさわしいと、主権者たる国民の皆様方が判断をされた場合には、それは公認するということはある」

立憲民主党 野田佳彦代表
「再調査もしないで、うやむやにして、早く解散をする。『裏金隠し解散』じゃありませんか。党として再調査しないのなら、会期延長して予算委員会開こうじゃありませんか」

石破茂総理大臣
「私として、能登半島で苦しんでいる方々に、どうすれば本当に一番良い対策ができるかということ。予備費を使って今回対応いたします。そのうえで、国民の皆様方の判断を賜りました後に、補正予算の審議を賜り、早期成立を期し、そしてまた本予算、切れ目のない予算審議をお願いする」

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■解散の大義・政活費でも追及
■解散の大義・政活費でも追及

2番、維新、馬場代表。

日本維新の会 馬場伸幸代表
「石破総理、この解散は国民に何を問おうとしているのでしょうか」

石破茂総理大臣
「新しい内閣が発足をいたしました。私どもの政権としてやろうとしていることに対してご信任を賜ることが、今回の解散・総選挙の意義だと考えている」

ヤジ「大義はなんだよ」

日本維新の会 馬場伸幸代表
「今、後ろから色々おっしゃっていただいていますが、これが国民の声だと思います。何を問われているのかよく分からない。自分が総理になれば、予算委員会を開いて日本の国内外の大きな課題を議論したいとおっしゃった。それはどこかに行ってしまった」

石破茂総理大臣
「この党首討論、今まで45分でした。ほぼ倍の80分ということに相なっております」

日本維新の会 馬場伸幸代表
「石破総理が幹事長を務めた2年間、この2年間で政策活動費17億5000万円支給がされています。ざっとでも結構ですから、どういうことに使ったかつまびらかにご説明お願いします」

石破茂総理大臣
「何にいくらということは、私自身ここでつまびらかにざっとお話をすることはいたしかねる。これから先、政策活動費はわが党として廃止も含めて議論をしてまいりたい」

3番、共産、田村委員長。

日本共産党 田村智子委員長
「これだけの物価高ですから、政治の責任でどうやって賃上げを進めるのか。中小企業への直接の支援、ここが鍵。必要不可欠」

石破茂総理大臣
「私どもは全体主義国家ではありませんので、社会主義国家ではありませんので、政府が主導して直接お金を払うやり方が必ずしも正しいとは思っていません。どうすれば物価上昇を上回る賃金上昇が実現するかについては、これから先も御党とよく議論させていただきたい」

党首討論の最後は、国民民主・玉木代表。

国民民主党 玉木雄一郎代表
「9日に解散して来週公示、12日間選挙戦が行われます。この選挙に『1円も政策活動費は使わない』とここで明言してください」

石破茂総理大臣
「これから先、選挙を行うにあたり、現在認められている政策活動費を使うことはあります。色んな党と厳しい戦いをしている地域もあります。そこにおいて、適法な範囲内において、現在許されている政策活動費を使うことは可能性として否定しません」

国民民主党 玉木雄一郎代表
「今、選挙に使うとおっしゃいましたね。選挙にどのように使うんですか」

石破茂総理大臣
「それは法律に許された範囲内で適切に使うということです」

国民民主党 玉木雄一郎代表
「公平なルールで各党戦うからこそ選挙の公正性は担保される。自民党は公開義務のかかっていない何十億といわれるお金を使って、まもなく始まる選挙を戦うんですか。やめましょうよ、総理」

石破茂総理大臣
「この選挙はなんだったんだと、自民党はなんでもやるのかと指弾を浴びることがないよう、私自身お金の使いみちには心して臨みたい」

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■討論終えて各党は
■討論終えて各党は

党首討論に立たなかった各党は…。

公明党 石井啓一代表
「例えば物価高の対策とか、中長期的な少子化・人口減少にどう対応するかとか、そういうことにしっかりと対応できる政党、連立はどこか。我々からすれば自公の連立しかない」

れいわ新選組 山本太郎代表
「今、目の前の生活だったり、今、この状況から何とかしてほしいと。これを進めるのが国会なのに、本当にこの国に保守なんていない。やつらは保身です」

社民党 福島みずほ党首
「自民党は変わらないということを、この短い間に見せつけたのが石破総理ではないでしょうか。これではダメです。だから政治を変える」

参政党 神谷宗幣代表
「9日の党首討論では、また政策活動費を使うと、選挙にとおっしゃっていたので、国民は怒るだろうなと」

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■“裏金問題”で非公認12人に
■“裏金問題”で非公認12人に

9日朝に行われた自民党の選挙対策本部会議。非公認とされたのは裏金問題に関わった12人。すでに非公認が固まっていた6人に加え、菅家一郎氏、中根一幸氏、小田原潔氏、細田健一氏、不出馬を表明している越智隆雄氏、元衆議院議員の今村洋史氏の6人です。

非公認の基準について、石破総理はこう述べていました。

石破茂総理大臣(6日)
「説明責任が十分に果たされず、地元での理解が十分に進んでいないと判断される者」

ただ、ふたを開けてみると、6人全員安倍派の中堅議員であることは共通していますが、明暗を分けた具体的な線引きは分からないまま。当事者にとっては寝耳に水だったようです。

564万円不記載“非公認”細田健一前衆院議員
「正直言ってびっくりしました。(Q.解散当日のこのタイミングについては?)正直勘弁してほしいと思います。正直いい加減にしろという気持ちはあります」

1240万円不記載“非公認”小田原潔前衆院議員
「(Q.非公認の決定はいつ聞いた?)一番始めは記者の方からショートメールが来て『何ですか』と聞きなおして、そういうことかと気付いたというのが9時ちょっと過ぎかな」

党からの表立ってのサポートは望めませんが、温情もあるようで、党幹部からはこう説明されたといいます。

1240万円不記載“非公認”小田原潔前衆院議員
「『自分の人間関係で選挙応援を頼む場合はよしなにやって。聞かなかったことにする』と」

解散当日に決まった異例の“非公認”。細田氏は新潟2区から出馬を予定しています。また、小田原氏は東京21区からの出馬を予定しています。

安倍派議員
「手続きも何もない。ガバナンスのない独裁政党だよ。自民党を壊す気じゃないか。石破政権も短命だな」

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■勝敗ライン「自公で過半数」
■勝敗ライン「自公で過半数」

党内に大きな禍根を残しつつ、大勝負に出た石破総理。記者会見では…。

石破茂総理大臣
「新たな地方創生はいわゆる“町おこしの延長”ではございません。日本の社会の在り方を大きく変える、日本創生の試みであります。大変革を思い切って実行するためには、国民の皆様方からの信任が必要です。この解散は『日本創生解散』です。どうぞわれわれに政権を託してください」

“日本創生解散”と名付けました。勝敗ラインについては…。

石破茂総理大臣
「今回の選挙が非常に厳しいことは私自身よく承知をいたしております。勝敗ラインにつきましては、自民・公明で過半数を目指したい」

そのうえで、こう強調しました。

石破茂総理大臣
「党内融和を私は優先するつもりはございません。党内融和よりも国民の共感を得ることが大事だと思っております」

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