政党から政治家個人に支出される「政策活動費」を衆院選(15日公示)で使うかどうかについて、石破茂首相(自民党総裁)の発言がぶれている。首相は9日に国会であった党首討論で「使うことはある」と明言。一方、13日のフジテレビ番組では「選挙に使うことはしない」と一転して使用を否定した。
政策活動費を巡っては、これまで使途が一切公開されず「ブラックボックス」と批判されてきた。6月成立の改正政治資金規正法には、政策活動費の領収書を10年後に公開することなどが付則に盛り込まれた他、自民党は衆院選の公約で「将来的な廃止も念頭」と記載している。
9日の党首討論で、国民民主党の玉木雄一郎代表は「(衆院選で)1円も政策活動費は使わないことを明言してほしい」と迫った。これに対し、首相は「いろんな選挙区にいろんな事情もある。いろんな党と厳しい戦いをしている地域もある。適法な範囲内において、現在許されている政策活動費を使う、ということは可能性としては否定しない」と述べていた。
こうした発言の変遷について、自民の森山裕幹事長は14日、毎日新聞などのインタビューに対し、「何をもって『選挙に使う』とおっしゃっているのかがよく分からない」とした上で、「党の政策を知らしめるために使うことも選挙に使うということになるのか。政党活動として当然のことだという認定になるのか。まずしっかりと(考え方を)固める。世論がどう見ているかについてもよく把握をしないといけない」と語った。
また、森山氏は衆院選の公約で「将来的な廃止も念頭」とした政策活動費の廃止時期については「廃止の方向であることは間違いない。できるだけ早く仕分けをしていく」と述べた。【川口峻】
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