名古屋市の河村たかし市長(75)の衆院選への立候補に伴う市長選について、自民党愛知県連は14日、候補者を擁立しない方針を決めた。自民市議団は会派所属の横井利明議員(63)に対し、市長選への立候補を要請していたが、県連の決定を受け、要請を撤回した。
県連関係者によると、この日に開かれた市議団の会合で、丹羽秀樹県連会長から今月27日に衆院選、来年には参院選が控えるなか、「安定した政権運営をするために、市長選には党としての擁立は見送らないといけない」といった趣旨の言葉が伝えられたという。
自民ベテラン市議の一人は石破茂内閣の支持率が伸び悩むなか、「党本部が衆院選への影響と市長選で負けた時の政権へのダメージを恐れたんだろう」と不満げに語った。
次期市長選をめぐっては、河村氏から後継指名を受けた前副市長の広沢一郎氏(60)と県内選出で、国民民主党を離党した大塚耕平参院議員(65)が立候補を表明している。
一方、市議会最大会派の自民は、河村氏の国政転身表明後の今月4日、前回2021年4月の市長選で河村氏に得票率で約6ポイント差まで迫った横井氏に立候補を要請していた。
横井氏も記者団の取材に「前向きに検討したい」と話していたが、要請の撤回を受け、立候補を断念する意向という。
市長選ではこのほか、政治団体「学生党」の党首、西田礼孝氏(27)と共産党が推薦する方針の元通訳、尾形慶子氏(67)が立候補を表明している。(寺沢知海)
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