第50回衆院選が15日に公示される。自民党派閥の裏金事件を受けた政治改革や物価高対策などを争点に、27日の投開票に向けて12日間の選挙戦が始まる。石破茂首相(自民党総裁)は「自公で過半数(233議席)」を掲げ、対する立憲民主党の野田佳彦代表は「自公の過半数割れ」を目指す。
衆院選は定数465(小選挙区289、比例区176)を争う。9日の衆院解散から投開票までは18日間で、戦後2番目の短期決戦となる。
14日、党本部で記者団の取材に応じた首相は、裏金問題を念頭に「状況は非常に厳しいことは認識している」としたうえで、「外交や安全保障、地方創生の実行力を持つのは我々の政権だ」と強調した。
公示前勢力は自民247、公明党32の計279で、過半数を46議席上回っている。自民は裏金問題に関与した34人を含む342人、公明は50人を擁立する見通し。
一方、公示前勢力が98の立憲民主党は「自公の過半数割れ」と「立憲の比較第1党」を目指す。野田代表は14日、千葉県松戸市で記者団に「裏金問題が大きな争点。政権交代こそ最大の政治改革だ」と語った。企業・団体献金や使途公開の義務がない政策活動費の廃止を訴える。
自公に対抗するには、小選挙区での野党候補の一本化が重要だが、調整は進んでいない。
外交・安全保障をめぐっては、ウクライナ・中東情勢、中国の軍備増強など厳しい安保環境を踏まえた政策のあり方、首相が訴える日米地位協定の必要性なども争点となる。また、物価高への処方箋(せん)を含む経済対策、人口減時代の持続可能な社会保障制度の構築なども合わせ、政権担当能力がどの程度あるのかが問われる。
14日時点の朝日新聞の集計によると、衆院選には主要9党から1200人以上が立候補を予定している。自民、公明以外では立憲民主党237人▽日本維新の会164人▽共産党236人▽国民民主党42人▽れいわ新選組35人▽社民党17人▽参政党94人。
今回は「一票の格差」を是正するために小選挙区を「10増10減」してから初めての衆院選となる。10増10減に伴い、25都道府県の140選挙区の区割りが見直された。(田嶋慶彦)
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