自民党派閥の政治資金パーティー収入不記載事件を受け、自民が取りまとめた政治改革案は、野党の収入のあり方を問う記述を盛り込んだ。「高い球」を投げる野党を牽制する狙いとみられるが、今後の与野党協議に影響を及ぼす可能性もある。政治改革を政局の駆け引きの道具とせず、政治の信頼回復につなげる議論にできるかが問われている。
自民は23日に示した改革案で、今後の検討項目として、政策活動費▽出版、機関紙販売事業▽労働組合の政治活動および政治資金―の透明性のあり方などを挙げた。
出版、機関紙販売事業は共産党の大きな収入源になっている。令和4年分の政治資金収支報告書によると、共産は「しんぶん赤旗」発行などの事業収入が収入全体の約9割を占めた。
また、労組に関しては、連合を最大の支援組織とする立憲民主党、国民民主党が念頭にあるとみられる。
すでに野党側は自民案を〝牽制球〟とみて、不快感をあらわにする。
日本維新の会の片山大介参院議員は24日の参院予算委員会で「(他党の収支は)関係ないじゃないか」と語気を強めた。共産の山添拓参院議員も同日、自身のX(旧ツイッター)に「全く反省が見えない」と投稿した。
野党はこれまで政治資金規正法改正などの政治改革を巡り、自民の消極姿勢を批判してきた。
自民の「党四役」の一人は「自民案は野党に対して、政治改革のためなら自らの懐が痛む議論もできますか、と問いかけている」と解説した上で、こう続けた。
「これは全ての党に向けた爆弾だ」(竹之内秀介)
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