衆院選に合わせて実施される最高裁裁判官の国民審査では、海外に住む有権者の投票が今回初めて可能になった。最高裁が前回衆院選後の2022年、在外邦人の投票を認めないのは「違憲」と判断し、制度が変わったためだ。  訴訟の原告だったブラジル在住の平野司さん(46)が国民審査に関心を持ったのは、一時帰国中だった17年の衆院選がきっかけだ。投票のため役所に足を運んだところ、国民審査の用紙だけもらえなかった。  日本にいる時さえ認められないのか―。ブラジルに戻った後、問題意識を同じくする友人に誘われ「海外在住を理由に投票できないのは違憲だ」と18年に国を提訴。一、二審に続き、最高裁も違憲との判断を示した。  これを受け、国は関連法を改正し、海外在住者の投票が可能となる新方式を導入した。国内で使う裁判官の氏名が列記された現行の投票用紙は準備に時間を要するため、海外では1~15の番号だけが印刷されたものを使用。投票所には番号ごとに裁判官名を記した紙などが掲示され、有権者はそれを基に、辞めさせたい裁判官に対応する番号に×印を付ける。


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