15日に公示された衆議院選挙。

福岡の有権者の声を特集します。

私たちの暮らしを直撃している「物価高」についてです。

15日に取材班が訪れたのは福岡市内のスーパーです。

◆60代・パート
「大変です、大変です」

◆20代・パート
「多分3000円くらいだろうなと思ったのが、レジに行くと『5000円!?』みたいな」

◆40代・パート
「単純に1つ1つの価格が上がっているので、買うものを厳選している。『お野菜ならこっちのお店』とか、選びながら買っている」

◆20代・会社員
「値上がりしているにも関わらず、給料面は上がっていない」

スーパーの買い物客から聞かれたのは“物価高”に対する悲鳴。

10月の値上げ食品は今年最多2900品目にのぼるなど、家計への影響はより深刻になっています。

福岡市内のスーパーでも9月以降、約200品目の値上げを余儀なくされました。

◆エムズ美和台店 久松浩一店長
「いま値上がりしているのが、原材料が輸入物の商品」

円安による原材料価格の高騰などを理由に特にいまハムの価格が上昇。

去年は298円でしたが、現在は398円で販売しています。

また、以前は98円で販売していた家庭用パスタはこの数年で2~3度値上げをし、今の価格は159円まで上がっています。

◆エムズ美和台店 久松浩一店長
「(商品を)2~3個買っていた人が1個だけだと、その分売り上げが落ちる。単価が高くなり、売り上げが上がったかというとそうではない」

苦しい状況は、個人で営む弁当店でも…。

こんがりとキツネ色にあがった俵型の「唐揚げ」!

この大ぶりの唐揚げを容器に詰めていくと、この店の看板メニュー「唐揚げ弁当」の完成です。

4個入りで550円という価格を開業以来2年間据え置いてきました。

しかし鶏肉や油など仕入れ価格が軒並み上昇し企業努力も限界を迎えて、この夏ついに「50円の値上げ」に踏み切りました。

◆キッチンポルコ からあげ屋 横山沙莉さん
「容器代とかも全部上がっている。米は店を始めた頃より倍の金額」
 
横山さんは2人の子育てをしながら店を切り盛りしています。

家族の生活のためにも苦渋の決断だった開業以来の「値上げ」。

しかし、その後も客足は遠のくばかりで、ついに…。

◆キッチンポルコ からあげ屋 横山沙莉さん
「物価は上がる、仕入れの金額も上がる。手元に残るお金を考えた時に、今、店を続けていていいのかな、状況が悪いんじゃないかなという風に考えた」

この弁当店を今年いっぱいで閉店することを決めたのです。

私たちの暮らしを直撃している物価高。

横山さんが今の政治に対して思うことは…。

◆キッチンポルコ からあげ屋 横山沙莉さん
「国民は汗水垂らして働いているのに、税金は取られるし、働かないと払えないし…私たちよりは子供たちの未来の方が心配なので、子供が欲しいと思っている方が不安にならない未来を作ってもらいたい」

こうした物価高に伴う「飲食店の廃業」に関して非常にショッキングな調査結果が発表されました。

帝国データバンクによりますと、飲食店の倒産件数は今年、全国で650件に上り、去年の同じ時期に比べると16%以上増えています。

このままのペースでいくと2024年は過去最多の件数となる見通しです。

最新の世論調査では石破内閣に取り組んで欲しい政策として「物価高や賃上げの対策」が約40%で最多となっています。

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