不祥事に揺れる2人の一騎打ち。前回の選挙では、わずか130票の大接戦でした。続々と大物が現地入りするのには、絶対に負けられない理由がありました。
■“不祥事”揺れる一騎打ち 新潟5区
立憲民主党 野田代表(67)
「ご当地のライバルは裏金を作った人ですよね。一騎打ちの接戦区である5区は、畳かきむしっても梅谷さんに当選してほしいと思っています」
自民党 高市前経済安保担当大臣(63)
「高鳥修一さんと一緒に暴れさせて下さい。私はもう党で役職のないヒラ(無役)でございますので、平場で好きなことを言い散らかせます。必ず勝たせてやって下さい」
選挙戦2日目、野田代表と高市前大臣という与野党の大物議員2人が応援に駆け付けたのは新潟5区。
ここで立候補したのは届け出順に立憲民主党の前衆議院議員・梅谷守さん(50)と、自民党の前衆議院議員・高鳥修一さん(64)の2人。前職同士による文字通り与野党一騎打ちの選挙区です。
立憲民主党 前職 梅谷守候補
「失われた30年、ほとんど自民党が占めていました。そのうえに政治とカネの問題、旧統一教会との癒着の問題、いわゆる裏金の問題。どの政権を選ぶのか、そして今の政治を刷新するのかしないのか。これを問おうではありませんか」
前回、3度目の挑戦で初当選した梅谷さん。物価高対策や人口減少対策などに力を入れると訴え、今回は政権選択の選挙と位置付けています。
その梅谷さん、今年2月、選挙区内で有権者に日本酒を配っていたことが発覚。
立憲民主党 梅谷衆院議員(当時)
「私自身、認識不足・軽率だったと深く反省を致しております」
その後、公職選挙法違反の疑いで刑事告発され、党から1カ月の党員資格停止の処分を受けました。
問題発覚後は地元選挙区での活動が大幅に減るなど、厳しい選挙戦を迎えています。
一方、6期目の当選を目指す高鳥さん。災害対策などにかかる公共事業の財源確保や物価高対策としてガソリン減税などを訴えています。
自民党 前職 高鳥修一候補
「私は高市早苗さんを総理大臣にしたいんです。そして高市政権をつくって地方に元気を活力を吹き込んでいきたいんです。皆さんどうか、ご理解下さい」
前回130票差で梅谷さんに敗れ、比例代表で復活当選した高鳥さん。今回は背水の陣です。
所属していた安倍派から544万円のキックバックを受け取ったものの、収支報告書に記載していなかったことから、党から戒告処分を受け、比例代表への重複立候補が認められませんでした。
高鳥さんは地元の選挙区で謝罪と説明を続けています。
自民党 高鳥衆院議員(当時)
「私自身は積極的に裏金を作って懐に入れるような人間ではないですから」
野田代表
「この人は政治倫理審査会出てきましたか?出てきてませんよ。説明責任果たしてませんよ。有権者がペナルティーを与えるしかないと思います」
高鳥さんは選挙の争点は政治とカネに絞るべきではないと訴えます。
高鳥修一候補
「この政治資金の問題はしっかりと透明化をしていかなければなりません。確かに、これは大事な問題だけれども、この問題だけで12日間の選挙戦、終わっていいものでしょうか。誰が、あるいはどちらが、この地域に本当に役に立てるのかということを皆さんからご判断をいただきたいと思います」
不祥事に揺れる2人。ともに逆風のなかでの選挙戦です。
梅谷守候補
「相手も本当に必死。共に火の玉となって勝利をつかんでいただきますことを、心から心からお願いを申し上げてさせていただきまして」
■高市vs野田“大物投入”のワケ
実は新潟5区、選挙区割りの改定で今回2つの市と1つの町が加わったことで有権者が増加。選挙区の面積は福岡県とほぼ同じ広さとなりました。
2人の候補者は、この広い選挙区で活動量も求められています。
県内全選挙区を取材している新潟テレビ21(政治担当) 相原亮記者
「今回、自民党の高鳥さんと立憲の梅谷さんの接戦になっています。今回、4回目の対決になるんですが、前回は130票差で梅谷さんが競り勝ちました。今回は区割りによって有権者数が8万人増えたことと面積が広がったという変更点はあるんですけども、前回と同じくデッドヒートになると予想されています。今回、自民党と立憲民主党が相次いで大物を投入した理由として、それぞれ接戦という認識が両方にあって、それぞれの候補の背中を押したい、そういった思いがあるとみられます。ただお互いにすねに傷がありまして、きのうの公示日の第一声では、それぞれ反省とおわび、これから入るという異例の展開となりました。地元の県議からは泥仕合だといった声も聞こえているんですけども、それぞれの問題を抱えつつ政策を訴えるという、かなり難しい選挙戦になると思われます」
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