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 群馬県選挙管理委員会は18日、27日投開票の衆院選に関し、県内35市町村に設置される投票所895カ所のうち91・8%の822カ所で投票終了時刻を法定の午後8時から繰り上げると発表した。9割を超える「繰り上げ率」は全国ワースト級とみられる。投票所も前回より27カ所減る。県選管は投票時間の短縮が投票機会を奪いかねないとして、安易な繰り上げを慎むよう求めている。【田所柳子】

 2021年の前回選で群馬の繰り上げ率は87・6%だったのに対し、東京都は1868カ所中29カ所の2%。群馬より繰り上げ率が高いのは茨城や秋田などわずかだった。一方で投票率は群馬が53・89%で、東京の57・21%を下回った。

 公職選挙法は投票時間を午前7時~午後8時と規定する。日没時間の早さや農家が多い地域の農繁期、工場地帯の就業時間への配慮など「特別な事情」がある場合には、投票に支障がない範囲で繰り上げることができる。群馬では11年の知事選で全投票所が繰り上げたため、県が「投票機会を奪いかねない」と改善を要請。12年の衆院選で一部が午後8時に変更するなどしたが、最近はまた繰り上げが増えているという。

 「早じまい」する自治体のうち、神流町選管の担当者は「秋は午後5時を過ぎると山間部は真っ暗。高齢化率も高く、投票に来て転倒すると危ない」と話す。全13カ所のうち7カ所は午後5時、6カ所は同6時で閉鎖する。各種選挙の投票率はほぼ80%以上と高く、ほとんどの町民は午前で投票を終えるのも理由という。中之条町は前回26カ所あった投票所を共通化して9カ所に減らし、いずれも同7時までに閉鎖する。投票所を大幅に減らしたのは、かつてのベテラン立会人たちが高齢化で引退して後継者もおらず、人繰り確保が難しかったため。9カ所のうち、旧六合村にある投票所は終了後に町役場まで車で1時間かけて票を運ぶ必要があり、「集計のミス防止で午後5時で終了せざるを得ない」という。

 全投票所を午後8時まで開くのは榛東、吉岡、玉村、明和、千代田、大泉、邑楽の7町村。繰り上げる28市町村に前橋、高崎を含む全12市が含まれる。渋川、富岡、安中の3市は午後6時に全投票所を閉鎖する。

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