27日に投開票が迫った衆議院選挙について、21日からは福島県内4選挙区の構図を特集で伝える。
まずは県内唯一の一騎打ちとなった“福島1区”。新たな区割りにより、相双地域の北部が外れた一方、新たに加わったのが二本松市などのエリア。この“二本松票”の獲得が選挙の行方を左右するとみられている。

<自民党の前職・亀岡偉民候補の第一声>
「選挙のためではなく、党派のためではなく、皆さんのために働く政治家として、もう一度皆さんの力を与えて下さい」

自民党の前職・亀岡偉民さんは、有権者の6割を占める“大票田”の福島市から選挙戦をスタート。今回は小選挙区で負ければ議席に届かない「背水の陣」だ。
前々回・前回と小選挙区で相手候補に敗れ、2回連続の「比例復活」だったこともあり、党本部が「比例重複」を認めなかったためだ。

「頑張りますんで。裏金は一切やってませんから」「ははははは」
さらに裏金問題をめぐっては、自らも派閥からキックバックを受け取り、不記載があったため「幹事長注意」に。しかし、発覚前から「個人の借り入れ」として記載してきた経緯からオモテに出ていない“裏金”にはあたらないと理解を求めている。
自民党の亀岡候補は「裏金は一切やっていません、私30年間、真面目にやってきて、30年間の真面目にやってきたことがたった一瞬で疑われるのは非常に残念なんですが、これからも私ども真面目にしっかりやっていきますので、皆さんのためにできることは何でもやると約束しております」と話す。

6回目の当選に向けて食事中も支持者と交流を重ねる。
「ご苦労さん、社長頼むよ、若い衆皆に」「お世話になります。よろしくお願いします」「絶対に落とせないから、よろしく」

「三度目の正直」で一騎打ちを制するために、亀岡さんの陣営が力を入れるのが新たな区割りで加わった二本松市での支持拡大だ。有権者の1割程を占め勝敗を左右するとみられている。

自民党・石破茂総裁:「本当の人々のためを思い、二本松のためを思い、福島から新しい日本を作る、その思いでずっとやってきたのが亀岡偉民。どうぞ皆さん力を貸してください」

公示日には石破総裁も応援に駆け付け、票の掘り起こしを急ぐ。
「ガンバロウ!ガンバロウ!ガンバロウ!」
復興副大臣などを歴任した亀岡さんにとって「復興の完成形」を見届けるためにも負けられない選挙戦だ。
自民党の前職・亀岡偉民候補は「これからの5年間が大事だと。復興を完成させるときに何をしたらいいかということをしっかりと我々は頭の中に描いてますので、前回の5年間の予算よりも多く取らないと完成形は作れないと。エフレイ含めて福島県の目玉を国が中心に作ってあげなければ完成形は成功しないと思っていますので、ここは何としても多くの有権者の皆さんにご理解いただいて、踏ん張っていきたいと思っています」と話した。

3回連続の一騎打ちとなった福島1区。
<立憲民主党の前職・金子恵美候補の第一声>
「こうやって一騎打ちの戦いにまたなりました。今回の選挙戦は絶対に、絶対に負けられない」

立憲民主党の前職・金子恵美さんも第一声を上げたのは“大票田”の福島市。今回も接戦が予想されている。その後、直ぐに向かったのは、これまでの選挙戦を支えてきた地盤でもある出身地の伊達市。
「ありがとうございます」「頑張ってくださいね」「三日市通ってきて皆出てこないなと、こっちにいてくれた。ははは」

前回3年前の選挙でも、この伊達市の得票率が選挙区内で最も高くなり、わずか5546票差の勝利につながった。県内で唯一共産党が候補者擁立を見送った福島1区、「野党全体の受け皿」としても期待されている。
「金子恵美、必勝に向けて団結してガンバロウー、ガンバロー、ガンバロー」

4期目の衆議院議員を目指す金子さん。「社会的な弱者をつくらない」という政治信念を持つきっかけとなったのは、障がいを持つ妹・美智さんだった。毎日送られる折り鶴が元気の源になっている。
立憲民主党の金子候補は「私たちは差別を受けてきました。でもだからこそ、障がい者差別、本当は禁止法にしたかったけど、障害者差別解消法という法律も作りました。そこに携わることができていて、国政で働いてきたことが実現できているのはうれしいことですし」と話す。

金子さんの陣営も支持拡大に力を入れるのが新たな区割りで加わった二本松市だ。
選挙序盤の17日には立憲民主党の小川幹事長も応援に駆け付けた。

立憲民主党・小川淳也幹事長:「農林水産業をはじめとして、党の政策議論を前面に立って引っ張ってくださっています。党にとってなくてはならない。これをぜひ地元二本松の皆さまにお伝えしたいと思って参りました」

「政治とカネ」が選挙の争点になる中、特に強く訴えているのは政治不信の払拭だ。
立憲民主党の前職・金子恵美候補は「政策や地元のニーズに対応することの前提となるのは、やっぱり私たちが政治への不信感というものを少しでも取り除いていかなくてはいけない。政治への信頼回復というのが大前提になっていくと思います」と話した。

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