投開票が27日に迫る衆院選では、議席を巡って、いくつかの「鍵」となる数字がある。衆院定数465議席の過半数にあたる「233議席」が政権継続の最も重要な目安となるが、改憲発議が可能となる「310議席」も、自民党政権が意欲を示す改憲の現実味に影響する。自民党派閥裏金事件に関与した前職らの「46議席」の行方も注目だ。

◆慎重な勝敗ライン「自公で過半数」

 自民は公示前に256議席あり、2012年の政権復帰以降、単独過半数を維持してきた。今回は裏金事件の影響などで、2009年の下野以来15年ぶりに単独過半数割れの可能性もあり、石破茂首相は勝敗ラインを「自民、公明で過半数」と慎重に設定している。  公示前には自公両党で計288議席あり、引き続き「261議席」の絶対安定多数を確保すれば政権は安定する。一方、公明の議席を足しても過半数に達しなければ、政権継続は困難となる。

◆改憲発議「阻止」に必要な数字は

 改憲発議に必要な衆院定数の3分の2以上にあたる310議席も、重要な数字となる。自公両党の議席に加え、自衛隊明記や緊急事態条項の創設など、自民と改憲の方向性が近い日本維新の会などと合わせ、310議席に達するかどうかが一つの目安となる。  改憲に慎重な他の野党にとっては、改憲発議を阻止できる156議席に届くかが焦点となる。立憲民主党は改憲に反対ではないが、自民案には明確に反対している。

◆裏金議員「追加公認」で過半数?

 裏金事件で政治資金収支報告書に不記載があり、自民非公認となった12人と、公認はされたが比例重複が認められなかった34人が立候補する計46選挙区の勝敗も、選挙後の大勢に影響しそうだ。首相は非公認の裏金議員でも、当選すれば原則追加公認する方針。仮に自公で過半数に届かなかった場合も、追加公認によって過半数を確保するというシナリオもあり得る。(長崎高大) 

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