10月27日に投開票が迫った衆院選。

 日本最大の食料基地である北海道十勝を選挙区とする北海道11区で、食の安定供給を願う有権者の思いに各候補者がどう応えるのか、聞きました。

 香ばしい香りが人々を魅了する十勝のソウルフード「豚丼」。

 この名物が今年、危機に見舞われました。

 「豚肉が1.6~1.8倍くらい上がった。コメもすごく新米から上がって、なんとか良い政策案でもないのか」(ぶた野家 西本孝二さん)

 食料自給率「1100%」を誇る日本最大の食料基地・十勝でも、深刻な物価高に見舞われていました。

 幕別町でナスやトマトなどを作る農家の藤原孝一さんは…

 「生産のコストは政府は何も考えてくれない。(野菜の価格は)上がらない。だから生産者がいなくなる。上に立つ人間は農産物は食っとらんのだろう。違うものを食っているんだろうと思うくらいだ」(藤原さん)

 豊頃町で1500頭以上の乳牛を飼育する酪農家の井下英透さん。

 家畜の飼料に加えて建築資材や燃料、人件費も高騰する状況に悩んでいました。

 人手不足も深刻で、従業員25人のうち10人が外国人です。

 「今はある程度、外国から人材を求めながらなんとかしているが、本当に人手不足は大きな問題」(井下さん)

 この深刻な状況を、候補者たちはどう考えているのでしょうか。

 立憲民主党の前職、石川香織候補(40) 。

 農家が安定した経営をできるよう訴えます。
 
 「頑張って十勝のためによろしく」(有権者)

 こまめに農家や農協などを回ります。

 「所得補償を訴えていきたい。農業者の所得対策も東京のルールがこちらに当てはまらないことが多い。広さと雪が降るとか加味した地域のルール、北海道のルールを作るべきだと思う」(石川候補)

 物価上昇に見合った額の交付金を支払い、経営を維持してもらおうという政策です。

 石川候補の昼は、十勝名物のそばが付いた特製弁当。エネルギーをチャージし、地域を回ります。

 前回は比例復活で当選した自民党の前職、中川郁子候補(65)。

 農家の所得向上を目指すべきだと訴えます。

「自然に左右される農林水産業であります。この課題をしっかり解決する」(中川候補)

 農産物の輸出を推進するほか、AIなどの活用も訴えています。

 「特に農業に関しては、食料・農業・農村基本法の改正。これで価格転嫁できること、農林水産業の経営を後押しする。安心感を持って営農していただける形を作っている」(中川候補)

 支援するレストランが地元食材で作った弁当で、充電完了です。

 共産党の新人、佐藤耕平候補(48)。

 「農業をしっかり守るためにも農業予算、大幅に増やさなければならない。農畜産物の価格の補償、農家の所得の補償を実現する」(佐藤候補)

 肥料代などの高騰に対する対策や農業設備を維持する補助を大幅に増やすことなどを通じて、農業の発展や地域の活性化を目指しています。

「国民の命を守ると考えた時、やはり食料を守る。そこが今の政治の中では大きく欠けている、足りない部分。農業をしっかり守ることが十勝経済を守ることにつながる」(佐藤候補)

 十勝の食材がつまったカレーライスで、選挙戦を戦い抜きます。

 日本最大の食料基地を守り、発展させる有権者の願いにどう応えるのか。投票まであと5日です。

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