有権者に支持を訴える自民党総裁の石破首相(右)と立憲民主党の野田代表=21日

自民、公明両党や立憲民主党の党首は27日投開票の衆院選を「政権選択選挙」と位置づけて街頭演説などで訴える。報道各社の情勢調査で与党の苦戦が報じられ、石破茂首相は旧民主党時代の政権運営を含む野党批判に力を入れる場面が目立つ。

首相は23日、水戸市の街頭演説で立民などの政権像がわからないと主張し「無責任な人たちに日本を任せるわけにはいかない」と強調した。「どんな政権を選択し、憲法、外交・安全保障、農業、社会保障を任せるのか」と支持を呼びかけた。

公明の石井啓一代表は堺市で演説し、民主党政権下で浮上した「政治とカネ」の問題を取り上げた。当時の与党は政治改革に後ろ向きだったと批判した。選挙戦の争点を自民派閥の政治資金問題から分散させる狙いとみられる。

首相は22日の演説で「悪夢のような民主党政権」というフレーズを用いて野党を批判した。首相は過去に同様のフレーズを頻繁に用いた安倍晋三元首相を批判していた。

国民民主党の玉木雄一郎代表は23日、X(旧ツイッター)で「らしくなく、また変わってしまったのか。他党の悪口を言っても国民生活はよくならない」と苦言を呈した。

政権交代を掲げる立民の野田佳彦代表は民主党政権の成果を有権者に訴える。22日のさいたま市での演説で、同政権が進めた高校授業料の無償化や子ども手当の支給について「自民も公明も追随してきているのではないか」と指摘した。

自公過半数割れとなった場合に自民は連立の枠組みを広げて政権を維持しようとする可能性がある。日本維新の会や国民民主の幹部は連立入りは否定するものの、政策や予算案によって政権に協力する「パーシャル(部分)連合」の余地を残す。

共産党の田村智子委員長は「共産党の躍進で真の政治改革を進める」と呼びかける。

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