愛媛県にある松山城の城山で起きた土砂崩れを受け、現場で進められていた応急対策工事が約3カ月かけて完了し、市はふもとの地区を対象にした「避難指示」の発令基準を23日に緩和しました。

松山城の城山では7月12日に大雨のため、斜面が幅約50メートル、高さ約100メートルに渡り崩壊。松山市は復旧工事とともに、斜面の下側部分で安全性を高める応急対策工事を進めていました。

完了した今回の工事では、国土交通省から借りた高さ5.6メートルの金属製の鋼管柱34本を設置。斜面を流れ落ちる土砂や流木をせき止め住宅への被害を防ぎます。

松山市は工事の完了を受け23日、被災した付近の緑町一丁目の一部エリアで運用している避難指示の発令基準を緩和しました。

このエリアでは被災後、県の土砂災害危険度情報でレベル4に達した場合に発令する「避難指示」を、大雨注意報が出される警戒レベル2の段階で早めに発令していました。今回の緩和により大雨警報が出される警戒レベル3で発令します。また避難指示を発令するときは引き続き、対象世帯に電話連絡をするということです。

この一方、城山の土砂災害を巡っては、ふもとの地区の一部の住民が市に対し説明会の開催などを求めているものの、松山市は22日までに文書で「災害の原因が特定され、市として判断できるようになってから説明の機会を設けたい」と回答。住民の一人は「住民たちの感情が冷めるのを待っているように思える」と憤りをあらわにしています。

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